音楽は大いなる癒し。しえるです。
最近、少しでも心が荒んだり、癒されたくなったときにはアメリカのオーディション番組『The Voice 18』をずっと流しています。
ケリー・クラークソン、ニック・ジョナス、ジョン・レジェンド、ブレイク・シェルトンという豪華な4人がコーチとなって指導し、審査するこの番組。
極上の歌声たちに加え、英語なので言葉が入りすぎて来ず、意味がわかったとしても、とても温かい空間の愛に溢れた言葉ばかりなので、ストレスになるものが皆無なのです。
ただ、海外の番組は内容が充実しているのですが、番組のルールの説明がざっくりなため、こまかいところは番組を見ながら掴んでいかなきゃいけないのが玉に瑕です。笑
【今1番の癒し】『The Voice 18』ノックアウトステージの極上パフォーマンスに酔いしれています。
第3ラウンド「Knockouts(ノックアウト)」
ノックアウトステージのルール
1チーム9人、全部で36人いる候補者が17人にまで絞られるノックアウトステージ。
練習パートでは、自身で選んだ1曲をコーチとメガ・メンターの2人にアドバイスを仰ぎながらブラッシュアップ。
そして本番では、同じチーム内の2人が各自選んで練習した曲を披露し、担当コーチが勝敗を決めていきます。
勝者は次のプレイオフに進出し、敗者はほかのコーチにスティール(各コーチ1回だけ使える)されなければ敗退となります。
また前ラウンドのバトルでセーブされた者4人同士でのノックアウトもあり、こちらは視聴者投票によって1人に絞られます。
メガ・メンターとして出演したジェイムス・テイラーのことは、寡聞にして知らなかったのですが、5度のグラミー賞受賞、ロックンロールの殿堂入り、アルバム売り上げは1億枚以上というレジェンドシンガーソングライターで、70歳を超えた今も現役のすごい方なのだそうです。
ノックアウトでの素晴らしいパフォーマンスたち
Joei Fulco and Levi Watkins Both Give "Perfect Performances!" - The Voice Knockouts 2020
ブラインドのときから大好きな、ハスキーボイスのカッコイイジョーイと、14歳ながら刑務所へ行く曲という意外性を見せたリーヴァイの対決。
アドバイスを上手く活かして自分のものにしたジョーイと、自分とまったく違う世界を歌い上げたリーヴァイの対決は接戦でした。
CammWess and Megan Danielle Are Neck-and-Neck with Amazing Performances - The Voice Knockouts 2020
幼い頃に両親が離婚し、別れた父への想いを歌ったコーチ・ケリーの曲「Piece by piece」を歌う、同じ経験をしたメーガンと、「友情でも信仰でも皆、証明を求めている」と考えるキャムウェスの「Say Something」。
2曲とも歌詞の意味を知ったうえで聴くと、より2人の想いが伝わってきて、涙なしでは聴けません。
メーガンの力強い地声と美しい裏声もたまらないですし、キャムウェスにいたってはブラインドのときからもうずっとファンです。
これまでの経験を経て、ここぞという場で自分にピッタリの曲を選べる力というものを見せつけられました。
Joanna Serenko and Zan Fiskum Have an Incredibly Tough Knockout - The Voice Knockouts 2020
ザンの芯の強さみたいなものが溢れた力強い歌声に目も心も奪われました。
コーチ陣の感想のときに、ケリーが落としたイヤリングをニックがつけたり、ジョンの元サヤを糾弾しておきながら自分もスティールで復縁を望んだ流れには笑ってしまいました。
Mandi Castillo and Thunderstorm Artis Both Wow the Coaches - The Voice Knockouts 2020
一緒に上京した友人が数年前悪性リンパ腫にかかり、治るとされていたときに再発してしまったそうで、彼に捧げるために上京時に一緒に歌った「Stand by me」を選んだマンディ。
コーチのジョンが「迷ってるから正直な感想を頼む」と他のコーチに頼むくらいに、ずば抜けた実力を持つ挑戦者同士の対戦でしたが、誰もが知る名曲を情感たっぷりに歌い上げたマンディの方が心に訴えてくるものがありました。
ジョンが勝者を選んだ瞬間、ニックがニヤッとするのが見えました。笑
Micah Iverson and Tayler Green Deliver Beautiful Performances - The Voice Knockouts 2020
この対決は特に心に残ったシーンの1つ。
難易度の高い曲に挑戦したマイカのパフォーマンスも素晴らしかったのですが、これまでダイジェスト扱いされていたテイラーがここに来てベストパフォーマンスを見せてくれました。
テイラーの胸を打つパフォーマンスにコーチ陣はスタンディングオベーションで、対するマイカに対しては厳しい意見が続きましたが、これまでの過程も鑑みた総合力をもって判断されました。
選ばれた瞬間の顔が心に焼きついています。
メガ・メンターのジェイムスが、マイカに合わせて曲調を即興でアレンジしたのがめっちゃカッコよくて、レジェンドのワザにしびれちゃいました。
Allegra Miles and Jacob Miller Leave Nick Jonas with a Tough Choice - The Voice Knockouts 2020
Siaの「Chandelier」は大好きな曲なのですが、大胆なアレンジによるアレグラの歌は心を揺さぶられるもので圧倒されました。
アレグラの歌声を聞いたジェイコブが思わず笑ってしまう気持ちもわかる気がします。
でもそれに対するジェイコブもまた、Post Maloneの「Better Now」というヒップホップ系の曲がまったく違うアコースティックアレンジとなっていて、本人の雰囲気にピッタリで素晴らしいアレンジでした。
Cedrice and Toneisha Harris Both Take on Rihanna Songs - The Voice Knockouts 2020
トネイシャは息子の白血病治療のため、『The Voice』を辞退した過去があります。
無事息子の病状が回復し、8年ぶりの再挑戦となったこの舞台で、「人は困難に陥ると輝けることを忘れます。父が私の背中を押して言うのを感じる、”娘よ輝きなさい”と」と直前に亡くなった父の後押しを感じながら歌うリアーナの『Diamonds』は、困難を乗り越え解き放たれた、すさまじいパフォーマンスでした。
これほどまですごい力を持つのに、ブレイクに何度も「自分を信じろ」と声をかけられて初めて「やっと信じられる」というトネイシャを見ていると、それほどまでに「自信を持つ」というのは難しいことなのだと改めて感じました。
セドリスの謙虚で、常に感謝をきちんと示す姿勢は見習いたいものがあります。本当に彼女は人としてカッコよくて素敵な方ですね。
Michael Williams Sings Calum Scott's "You Are the Reason" - Four-Way Knockout - Voice Knockouts 2020
セーブされた4人でのノックアウトでマイケルが見せた透き通るような歌声も素敵でした。
第2ラウンドの名バトル
Brittney Allen vs. Zan Fiskum - Indigo Girls' "Closer to Fine" - The Voice Battles 2020
ザンとブリトニーのバトルはとても美しいハーモニーに心が洗われました。
元々ザンは4チェアのハイレベルさでしたが、ブリトニーもあがり症だとは信じられないほど。
ジョンが「なぜ選ばないといけないんだ?」とぼやいてしまうのも頷けます。
Cedrice vs. Thunderstorm Artis - "Stay" by Rihanna feat. Mikky Ekko - The Voice Battles 2020
出場者の中でもずば抜けた存在感を放つ2人のハーモニーもまた美しすぎて胸に響きます。
敗退しても「コーチの皆さんがさまざまな困難を乗り越え、犠牲を払い、共にいてくださることに感謝します。」と謝意を述べる謙虚さがまた素晴らしい人柄を表していますし、これ以上ない最高のスティールに、ほかのコーチたちが全員立ち上がって大喜びし、スティールしたブレイクを称える様子に、私も同じ気持ちになって喜んでいました。
エラ・メイから業界に飛び込む若者へのアドバイス
「自分に誠実でいる」それだけね
私は否定されるのが嫌いで「自分はこう」と決めていた
アドバイスを拒めってことじゃなく
自分の信じる道を行けってこと
サンダーストームからアドバイスを求められたジョンに質問をそのまま横流しされたアドバイザーのエラ・メイはこう答えます。
アドバイスを聞く必要がないわけでもなく、意見を聞かなきゃいけないわけでもない。
すべては咀嚼して、自分の心に従うのみですね。
僕らが好きになるのは声だけじゃない
アーティストの考え方や彼らが語る物語
彼らの生き方に惹かれるんだ
どちらからも本物の感情が伝わってきた
メガ・メンターのジェイムス・テイラーも「技術があるし、曲に対する思いも感じられる。一番大切なことだ」と話していました。
マーティン・スコセッシ監督の言葉にもあったように、超一流のプロが見ているのは技術もありますが決してそれだけではなく、「自分と言う個」が最重要視されていることをここでも感じます。
『SONGLAND2』も楽しみ!
WOWOWで放送されている『THE VOICE 18 最強の歌声は誰だ』と合わせて、楽しみにしているのが、3月放送開始のもう1つのオーディション番組の『SONGLAND2 ヒットメーカーを探せ!』。
こちらはソングライターに焦点を当てた内容で、音楽制作の過程を垣間見られるのがとても面白く、シーズン1に大ハマり。
シーズン1のジョン・レジェンド回だけ見逃し続けていて切ないのですが、気を取り直してシーズン2を楽しんでいこうと思います。
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