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良い菌?悪い菌?『人体常在菌のはなし』で自然界の基本を学んだ話。


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本は玉石混交だが学べることは多い。しえるです。

 

「菌は良くないもの!滅菌!!」

「菌には良い菌、悪い菌がいる」

 

おそらくこのような認識の方は結構多いのではないでしょうか?

 

でも菌ってそんな単純なものではなかったりします。

 

私は菌についての多くを、2004年に出版された『人体常在菌のはなし』を読んで学びました。

 

この記事を書くにあたって改めて読み返してみたところ、2014年に読んだ当時より知識が増えているので、情報が古いな…そこはそうじゃないんじゃないかな?という部分はありました。

 

しかしおおむねの印象は変わらず、私の中にこの本の知識による礎があったおかげで、いろんな情報に振り回されず、自分で情報を取捨選択することができているんだなと感じました。

 

というのも、改めて読むとこの本には、自然界の基本が詰まっているように受け取れたからです。

良い菌?悪い菌?『人体常在菌のはなし』で自然界の基本を学んだ話。

人間と共生する菌も生態系のひとつ、100%良いものも100%悪いものもない

生態系で成り立つ世界

地球には多くの生物が存在します。

 

植物が光合成して養分を蓄え、その植物を動物が食べます。

動物が死ぬと土に還り、微生物が分解して、その養分がまた植物に戻ってきます。

植物を食べる動物を、さらに大きな動物が食べたりという食物連鎖もあります。

 

どれもそれぞれの生物が、ただ生きるために活動しているだけです。

植物や動物、微生物のひとつひとつに良い、悪いって本来ないはずです。

 

たとえば、食べられる側にとって捕食されることは、一見悪い出来事かもしれません。

自分が死んじゃうわけですからね。

でも全体で見るとその食物連鎖があるからこそ、他の生き物が生きていられるわけで、別の生き物にとってそれは良いことであり、一概に悪いこととは言えません。

体内に存在している生態系

この本を読むと、人間の体内にいる菌たちもそういった生態系のひとつだということがよくわかります。

 

人間の体内外には様々な菌が共存しており、成人は少ない人でも60種類、多い人で100種類、その数は100兆個と言われているそうです。

 

そして自然の生態系同様に、菌も1つ1つがただ存在して、それぞれの活動をしています。

悪い菌のイメージはありますが…

たとえば、大腸菌って水質検査で規制されていたりして、悪い菌のイメージがありませんか?

 

でも実は人間の腸内にも存在していて、食べ物の消化を助けてくれたり、ほかの危険な菌が侵入した時に攻撃してくれたりするという一面があります。

良い菌だと思っていたら…なんてことも

表皮ブドウ球菌は、皮膚に常在していてバリア機能を持ち、黄色(おうしょく)ブドウ球菌などをやっつけてくれたりします。

しかし、免疫力の低下したお年寄りの院内感染の原因が表皮ブドウ球菌だったことがあり、問題ないと思われていた菌による感染事例に、専門家の間で話題となったそうです。

陰陽は表裏一体

つまり悪いと思っていた菌に助けられる時も、良いと思っていたものが悪い菌となる時も、どちらもあるわけです。

どこにいたか、どんな人だったのか、誰の視点かによって物事の見え方は変わってきます。

人にとって悪い菌も、菌側からすれば自分を倒そうとしてくる人間が悪です。

 

どんな物事も一長一短があったり、いろんな状況が重なったりするわけで、100%良いものもなければ、何かが100%悪いってこともないと思っています。

何事もバランスが大事、1つだけでは成り立たない

問題が起こるのは菌がいるからではなく発生条件がそろうから

黄色ブドウ球菌アトピーや食中毒を引き起こす菌ですが、いるからといってすぐに問題が起こるわけではありません。

黄色ブドウ球菌の数やまわりの菌の環境に左右されます。

増殖しすぎなければただそこにいるだけですし、本来は守ってくれる存在である表皮ブドウ球菌もいます。

菌がいる状況と守ってくれる存在がいる状況、どっちの方がいいか?

黄色ブドウ球菌をなくすために消毒薬や抗生物質を使うと、一緒に表皮ブドウ球菌まで死滅してしまいます。

 

そのとき黄色ブドウ球菌の勢力が上回っていると、自分で形成したバイオフィルムに守られて黄色ブドウ球菌は生き残り、表皮ブドウ球菌だけ死滅してしまう場合もあります。

よかれと思ってしたことが、とんだ災難を招いていますね。

 

表皮ブドウ球菌がきちんと存在していると、黄色ブドウ球菌が増殖する隙がなく、目立った活動をすることはできません。

さらにはキシリトールの力を借りると、より黄色ブドウ球菌への対抗力が増し、黄色ブドウ球菌バイオフィルムを溶解してやっつけることもできるそうです。

 

自分にとって悪さをする菌がいることと、その菌から守る存在がいない無防備状態なこと、どちらがより自分にとって危険な状態なのでしょうか?

人間の肌は弱酸性がいいということ

表皮ブドウ球菌は、皮脂や汗の成分を取り入れ酸(産性物質)を出す活動をします。

こういった酸を出す菌が元気に皮膚上で暮らしていると、常在菌のバランスがとれており、お肌がしっとりつやつやな弱酸性の状態が保たれるそうです。

 

そして病原菌の多くはアルカリ性を好むので、弱酸性に保たれることで皮膚内部への侵入を防ぐことができます。

 

この知識があるお陰で、私は次亜塩素酸水を購入した時にも「pH5.2~5.8」の弱酸性だからpHが肌と同じだ!と思うことができました。

ciel-myworld.hatenablog.com

菌は耐性をつけていく

先程書いた黄色ブドウ球菌バイオフィルムのように、菌はより強力でやっかいな存在になることがありえます。

そして薬を使い続けると耐性ができてきて、だんだん薬が効かなくなったりもします。

生き延びた菌が薬に負けないために、耐性をつけてくるわけですね。

それに負けない薬を使うと、菌も負けじと対抗し、気づけば遺伝子変異させてまったく別物の死なない菌に生まれ変わってしまいます。

完全にいたちごっこですね。

 

そして本来は免疫力があるはずなのに、薬の力を使った分、自分で守る力も合わせて弱まってしまいます。

過剰に守りに入った結果、敵はめちゃくちゃ強くなっているのに、自分超弱いという状況に陥ってしまうなんて恐ろしいですね。

それだったら自分に耐性をつけるいたちごっこの方が心強い気がします。

 

ゲームにたとえれば、超強力装備に守られて超強い武器で戦っていたけど、ラスボス直前で武器と防具を破壊されたようなもんですね。

装備に力を入れるより、自分自身のレベルを上げた方が総合力が上がりそうです。

人間は産まれた瞬間から菌と共に生きている

お母さんのおなかは無菌状態 

お母さんのおなかの中にいる胎児は、無菌状態で育つそうです。

 

皮膚や消化管などには菌がいますが、筋肉や血管、骨といった外と接することがない部分は無菌状態なのと同じ理屈と本にはありました。

 

唯一、子宮へ精子の通り道となる膣には、デーデルライン桿菌(かんきん)という常在菌がいるお陰で酸性に保たれ、外部からの菌の侵入を防いでくれるのだそうです。

ビデなどで洗いすぎると、デーデルライン桿菌がなくなって感染症が起こるケースが問題となっているようなので気をつけたいところですね。

産まれる瞬間に常在菌が帯同する

産道を通って赤ちゃんが生まれる時、この産道にある母親の常在菌の一部が最初にくっつく常在菌なのだそうです。

昔ながらの出産においては、すぐ横のお尻に存在する大便も、母の腸内常在菌を受け取る良い機会なのではないか?と著者の方は考えておられるようです。

菌をもって菌を制する

最初に書いたように、地球には自然の生態系が広がっており、自然の土や水の中にはたくさんの菌がいます。

いろいろな場所にいる菌をもらい、時には体調を崩すことで新たな菌が棲んだり、免疫をつくったりして、丈夫な体に育っていくと著者は説いています。

 

この世に生を受けた時点から成長と共に常在菌と育っていくわけで、無菌を目指すのは不自然なことだと私も感じます。

「0」でも「1」でもない、連鎖反応

こうやって菌と人間の関係を生態系のひとつとして捉えると、何か1つだけピックアップして考えるのはちょっと違うのではないかな?と感じます。

○○がなくなれば解決という「0」の話も、△△さえやっていれば解決という「1」の話も、それが起こったことによって、どこかで何かのバランスが崩れていて、何か別の作用が生まれるのではないでしょうか。

 

何事も繋がっていて連鎖していくものなので、そう考えるとこれだけしていればいい!なんて話があるはずがなく、そんな都合のいい話はないとすべて切り捨てることができます。

(皆がWin-Win-Win…の世界が広がっていくことを願うばかりです。)

 

この話はあくまで自然界の話なので、人工的に生まれた危険物のような、体内に取り入れない方がいいものなどはまた別の話ということで…。

多すぎず、少なすぎずの中庸の感覚

元素とかも上手いこと数が組み合わさって化合物になっていたりしますよね。

菌も元素も栄養も器官も、多くのものが作用しあって、バランスをとって成り立っているんだと理解しました。

 

連鎖反応があると考えると、何かが多すぎたり、少なすぎたりしてもバランスが崩れることは容易に想像がつきます。

 

物事には適量というものがあり、そこから外れるとどうすればいいか困ってしまうのは人間にとってもよくあることで、すべては中庸に繋がるなぁと思うこの頃です。

1人1人の個体差と環境による影響

人間は60兆個の細胞、100兆個の菌で成り立っているといいます。

 

といっても人によって常在菌の種類や全体数には差があり、どれが何を有害と判断するかも異なります。

それが病気やアレルギーとなって現れたりしますね。

(ちなみに細胞の働きは『はたらく細胞』で面白く、かつわかりやすく学べました。

マクロファージさんの最強お掃除っぷりが好きです。)

 

1人1人体の個体差があるうえに、生活習慣や環境、食べるものや使用するものが違えば、その内容が変わってくるのは想像に難くありません。

自分がどんな常在菌と生きていくかは、自身の日々の選択に左右されており、自分が何を選び、何を選ばないかの重要性を感じます。

 

腸内環境を「腸内フローラ」と「お花畑(flora)」に例えられますが、できるかぎり自分というお花畑は荒らさず、居心地よくしてあげたいものです。

あるものとどう共存していくか?

学校の授業で「共生」について学んだことがあるかと思います。

虫に花粉を運んでもらうこと、ヤドリギのようにほかの植物に寄生する植物、イソギンチャクに守ってもらうクマノミ、などですね。

 

菌と人間の関係も「共生」と捉え、自分を守ってくれる存在というメリットを享受する考え方の方が、お互いWin-Winの関係を築けると思います。

誰しも自分にとっての良い悪いはあるとは思いますが、良いも悪いも存在する事実を受け入れる考え方はとても楽になりました。

参考文献など

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