【お気に入りマンガ】神様から動物製造の委託を受ける『天地創造デザイン部』の奮闘っぷりに生き物たちのオモシロ生態を楽しく学んでます
原作が蛇蔵(へびぞう)さんと鈴木ツタさん、作画はたら子さんによる『天地創造デザイン部』は講談社のモーニング・ツーで連載しており、2021年にアニメ化もしている、さまざまな動物たちを題材にしたマンガです。
動物好きながらも生態などは詳しくない私にとって、楽しみながら動物たちの面白い生態を知れるのがいいですし、少数精鋭の個性豊かなデザイナーたちが相対する社会人あるあるな無茶ぶりや完成までに試行錯誤する過程には、共感の気持ちも生まれてしまいます。笑
あらすじ&見どころ
ヘンな生き物がいるのは、私たちのしわざ。
地上に存在する、さまざまな動物たち。彼らはなぜ「そのような形状・生態」となったのか……。実は天上には、生き物をデザインする「デザイン部」があったのだ!
蛇蔵(『日本人の知らない日本語』・『決してマネしないでください。』)、鈴木ツタ(『BARBARITIES』)、たら子(『もうそうのアキ』)が贈る、かつてない動物コメディ開幕!!
天地創造デザイン部|モーニング公式サイト - 講談社の青年漫画誌
神が天と地をつくり、そこに住む生き物は下請けにお任せ!ということで動物たちの製造を託されたのが天地創造社のデザイン部。
毎回、神様の突飛な依頼に試行錯誤するデザイナーたちの様子が描かれています。
デザインするにあたって、実際に生き物たちがその姿で生きていけるのかを確認するため、エンジニアに検証を依頼するのですが、これが「へぇ~!!」ということばかりでまた面白いのです。
たとえば、ペガサスは実際にはもっと筋肉モリモリにして羽をでっかくしないと飛べないという話は聞いたことがあったのですが、鳥が飛ぶための軽量化の一環で頻繁にフンをするだとか、骨や羽の軸が空洞でスカスカだから羽根ペンが作れるのだとかいうのは知らなくて、「なるほど、だからか~!」と合点がいったり。
身体のしくみがちゃんとできてないと試作の子がビターンと倒れちゃうので、神様の注文を取り入れつつ、どういう構造にするかという思考錯誤する様子がそのまま、今いる動物の理解につながり、楽しみながら動物のことを学べちゃいます。
序盤に登場する面白いと思った動物たち
ヘビに襲われないための芸術的な鳥の巣
鳥が枝の上に巣をつくると、木を登れてしまうヘビに襲われてしまいます。
卵やヒナを抱えて逃げるのが難しい鳥たちにどう対策させるのか、そこで生まれたのがハタオリドリのぶら下げる巣でした。
youtu.beくちばしで器用に草を編み込み、上手に作ってしまうんですね。
それでも気合で襲いに来るヘビに対処し続けた結果、シャカイハタオリの巨大な巣ができあがったそうです。
巣から一気に鳥たちが飛び出してくる様子がすごいですね。
ハブとマングースならぬ、ヘビとリス
リスの子どもにとってもヘビは天敵。
ですが、カリフォルニアジリスは時にヘビと戦い、ヘビ毒に耐性を持っていることがあるそうです。
この動画ではカリフォルニアジリスが戦って、みごとにヘビを追い払ってみせています。
ガラガラヘビの脱皮した皮を使ってにおいをごまかす作戦も。
オスがおかあさん、メスがおとうさん
タツノオトシゴは「オスの体にメスが卵を産みつけて、オスは卵が孵るまで腹で守り、オスが出産!」するのだそうです。
私の知るオス・メスの定義とは違うのでは??と一瞬思ったけど、メスが卵を産んでおり、オスのお腹の中で受精するから、たしかに定義どおりなんですね。
鳥やカモノハシは殻で守られた卵を巣で温めるのに対し、ハリモグラやタツノオトシゴは卵を守るための嚢(のう)で保護する形という卵の守り方の違いで、孵化して子どもが産まれてからもしばらく嚢で育てる部分は有袋類(ゆうたいるい)であるコアラやカンガルーなどと同じようですね。
ほかにも不思議なオスメスにまつわるあれこれ
カクレクマノミは、最初はみんなオスなんだけど、群れで1番大きい個体がメスに性転換し、2番目に大きい個体とペアになって、残りのオスはカップルになれないまま一生を終えるのだそうです。
性転換するという話は聞いたことあった気がするけど、そんなシビアだったの?とビックリしてしまいました。
チョウチンアンコウは身体の大きなメスに、1/10サイズしかない小さなオスが噛みついてくっつき、やがてオスの身体はメスに溶けて精巣だけになっていって、一体化してなくなってしまうそうです。すごい……。
その他、イルカやアホウドリ、ペンギンなどのような同性カップルが存在する動物たちもいますし、性別はこんなにも多様的なのに、一部の否定する人間たちの不寛容さは残念だなって思ってしまいます。
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