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【傷やヤケドをどう手当てしていますか?】消毒は良くないという新常識を教えてくれた夏井睦先生著「うるおい治療」の本の話。


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読書は自分の中のパラダイムシフトの連続。しえるです。

 

9年前に読んで衝撃を受けた本があります。

 

それは、夏井睦(まこと)先生の『キズ・ヤケドは消毒してはいけない「うるおい治療」のすすめ』という本です。

 

多くの人はケガをして傷ができた時、当たり前のように消毒して、包帯やばんそうこうで覆って手当てしたりされたりしたことがあると思います。

 

しかしこの本では、「消毒をやめて、ラップと白色ワセリンでおおえば、ヤケドもすりむきキズも切りキズも治ってしまう。それどころか、乾燥肌もひびやあかぎれ、主婦手湿疹だって治ってしまう」という新しい創傷治療について書かれています。

 

今回はその「うるおい治療」がどういうものかについて紹介していこうと思います。

 

ちなみに私がこれまでこのブログで触れてきたアトピー性皮膚炎の対策も、この本の知識を基にしています。

 

「その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化すること」をパラダイムシフトと言いますが、私はこの本のお陰もあって、当たり前や常識を疑い、事実や証拠(エビデンス)を追求する考え方が常となりました。

 

このブログでは、そうやって知っていたものの中で、もっと多くに知られた方がいいのではないかと思う内容を定期的に紹介しています。

尚、あくまで紹介するのは本に書かれた内容の要約であり、その内容をどう受け止めるかは皆さまにお任せいたします。

【傷やヤケドをどう手当てしていますか?】消毒は良くないという新常識を教えてくれた夏井睦先生著「うるおい治療」の本の話。

うるおい治療(湿潤療法)とは?

「傷を消毒しない」「傷を乾かさない」を原則とした治療方法です。

このたった2点を守るだけで、傷は自然に治ってしまいますし、この治療法を知らない医者などに治療してもらうより、この治療法を理解した素人が自分で治療したほうが、はるかに早く、痛みもなく治せてしまうと言います。

 

これは実は50年以上前から証明され、医学の教科書にも書かれていることなのだそうです。

うるおい治療の基本

治療に必要なものも、白色ワセリンと食品包装用ラップ(あるいは市販のハイドロコロイド被覆材)だけ。

  1. 水道水で汚れを洗い落とす
  2. 水分を拭き取る
  3. ラップにワセリンを塗り、傷に当てテープで留める
  4. その上から包帯を巻く
  5. 1日1~3回、傷の周囲を洗って2からを繰り返す

たったこれだけで、たいがいの傷やヤケドは治ってしまいます。

 

私自身、これまで何度かヤケドしてしまった時に試してきましたが、どれも跡が残ることなく完治にいたっています。

また、アトピー性皮膚炎での経過は以下のシリーズ記事にて書いています。 

記事内では、各ハイドロコロイド被覆材の使用感についても触れております。

ciel-myworld.hatenablog.com

なぜ消毒してはいけないのか?

それは傷があるところを熱湯消毒しないのと同じだと言います。

 

「傷口からバイ菌が入ったら大変だ」と傷口に熱湯をかけたらヤケドしてしまいますね。

そうすれば傷はさらに深まるし、痛くてたまらないはずです。

 

消毒薬による消毒は、この熱湯消毒と本質的に違いはありません。

 

バイ菌のついたまな板を熱湯消毒するとしたら、まな板は壊れずにバイ菌だけ死ぬから正しい行為です。

 

しかし、バイ菌がついた傷を熱湯消毒するということは、バイ菌も死にますが人間もヤケドしています。

それは消毒薬によってでも同じで、消毒薬によってバイ菌がある程度死にますが、それ以上に人体細胞が傷ついて死んでしまっています。

 

なぜそうなってしまうかというと「消毒薬に対して細菌より人体細胞のほうがはるかに弱いから」となります。

 

だから消毒すればするほど傷は深まり、その結果、化膿しやすくなってしまいます。

 

消毒薬が染みてシュワシュワいってる時、それは自分の体の細胞を殺していると考えたら怖くないですか?

今テレビでも放送している「はたらく細胞」の体内の様子に置き換えて想像してみたら、なかなかの大惨事になると思います。

 

傷口にむき出しになった細胞は、ケガをした時点ですでに半死半生の状態。

そういった生死をさまよう細胞たちにトドメを刺すのが消毒薬ということです。

頑張って赤血球や血小板が被害を食い止めようとしているところに、絶望的な追い打ちとなってしまい、助かるものも助かりませんね。

消毒薬とは何か?

消毒薬といっても、いろいろな種類の商品が出ています。

茶色い液のポビドンヨード、透明液のクロルヘキシジンは、常備薬として薬局で買うことができます。

病院でよく使われる逆性石けんも細菌破壊作用がありますし、抗菌グッズも銀イオンで殺菌しています。

 

これら消毒薬とは何か、ひと言で表せば「たんぱく質の破壊薬」です。

細菌は細胞生物ですので、たんぱく質を破壊することによって死滅しています。

(ちなみにウイルスには細胞がありません。)

熱湯や紫外線で殺菌できるのも同じ理由からだそうです。

 

つまり、消毒薬は安全でもなければ無害でもないということになります。

人体は水分を除けば約半分はたんぱく質でできていますから、きわめて有害で危険です。

 

たんぱく質アミノ酸という分子が結合したもので、地球上のすべての生物はたんぱく質を持っており、20種類ほどのアミノ酸の組み合わせによって成り立っています。

それは細菌と人体で共通しているものもありますので、消毒薬にとっては見分けがつきません。

 

しかし、細胞と人体では細胞に違いはあります。

残念なことに消毒薬に対しては人体の細胞の方が弱いのです。

それは、人体細胞は裸の無防備状態なのに対し、細菌細胞は細胞壁という鎧で身を守られている差から生まれます。

どちらが生き残るかは明らかですね。

 

しかも細菌を消毒薬で完全に殺そうとするなら、実は市販の消毒薬では力不足なのだそうです。

 

家庭用消毒薬の誤飲や、病院で点滴に誤って消毒薬が混ざってしまったことによる死亡事故が起きており、人体に有害なことが示されています。

これまで消毒しても治ってきたのでは?

これはただ人間の体が丈夫だったからにすぎません。

ただ治るのを邪魔して、痛めつけて、それでも頑張って治ってきてくれたのです。

お金をかけて、手間をかけて、それが実は傷が治ろうとしているのを邪魔しているだけだったとしたら…、やめた方がお互いのためじゃありませんか?

医者が傷を消毒するのはなぜ?

1人前の医者になるためには医学部での教育以外に、現場でさまざまなことを先輩医師から教えてもらって学んでいきます。

このとき、特に外科には徒弟制度のような雰囲気があり、先輩医師に逆らうことはまずできないような状況なのだそうです。

なので「傷を消毒しろ」と言われれば消毒するしかないし、「必要ですか?」と言える雰囲気でもなく、先輩の言うことは絶対という雰囲気らしいです。

こういった体質が医学会には昔からあり、その中で継承された1つが「傷は消毒」なのだそうです。

消毒しないで化膿しないの?

夏井先生いわく、口の中をヤケドした時を思い出してみてくださいと。

口の中に消毒薬をつける方は少ないと思います。

それによってヤケドの傷が化膿したことはあるでしょうか?

いつも傷は化膿することなく、いつの間にか治っているでしょう…と言います。

たしかに、あっつあつのタコ焼きとか小籠包とか食べてヤケドしてしまっても、何日間かは違和感がありますが、あとはいつの間にか気にならなくなって治ってた記憶しかありません。

 

口の中にもバイ菌は入り込んでいるはずですが、なぜ化膿しなかったのか?

まずそもそも人体には、免疫細胞という警備員が巡回しており、バイ菌を退治するシステムが稼働しています。

 

そして、バイ菌が傷を化膿させるためには、バイ菌の隠れ家が必要となります。

逆に言えば隠れ家がなければ化膿はしないということになります。

 

隠れ家になりえるものとして挙げられるのが「傷の中に溜まった血液やリンパ液」。

ここには免疫細胞も、細菌だけを殺す抗生物質も入ってきません。

というのも免疫細胞も抗生物質も、血管の血液で運ばれていってしまうからです。

血液は栄養豊富で、温度も適度に保たれているので、流れずに溜まった血液はバイ菌の隠れ家となり、細菌が繁殖できてしまいます。

 

つまりは、傷に細菌が入ったから化膿するのではなく、傷のどこかに細菌の隠れ家があったから化膿しまうということです。

傷が化膿しないようにするためには?

「細菌の繁殖場所をなくしてしまえば、傷の化膿がおさまる」というのが正解だそうです。

だから治療の最初に水で洗って隠れ家をなくすということですね。

 

もし化膿してしまった時は、細菌の繁殖場所を見つけて除去し、抗生物質を点滴したり内服すれば、化膿がおさまるそうです。

お医者さんの仕事範囲となるので、適切な医者を探して治療を受けてくださいとのことです。

水道水で洗うのは問題ないのか?

水道水で洗っても大丈夫であり、それで傷が化膿するようなことはないようです。

日本の水道水は殺菌されていますし、傷口表面の細菌も組織に密着しているわけではないので、大量の水で洗えば押し流されてしまいます。

それにそもそも細菌の隠れ家が化膿するわけですから、傷に細菌が入ることも、水道中に細菌があったとしても、問題とはなりません。

 

ちなみに洗う際の痛みでいえば、生理食塩水の方が痛くないらしいですが、とっさの場合に用意するのは難しいので、とにかく洗って汚れを落とすことを最優先させるということですね。

水道水が身近にない場合は、それがペットボトルのお茶や川の水であったとしても大丈夫だそうです。

 

ただし、糖分の濃いジュースや塩分の入った飲み物では傷に染みることが予想されるので、避けた方が無難のようです。

ケガをした時、痛いと感じる仕組みについて

仕組みとしては、痛みを感じる神経が皮膚の「真皮(しんぴ)」という層に通っていて、物理的損傷がその神経を刺激し、それが大脳に伝わって痛みとして認識されるのだそうです。

 

ではなぜ、痛いと感じる仕組みがあるのか?

それは体の悲鳴であり、同時に体にとって好ましくない何かが起きた警告ともなります。

これ以上その状況が続くとまずいと体にわからせ、離れるように警告しているのです。

 

だから体にとって危険度が高い場所ほど、痛覚を感じる神経が集中しています。

 

このような観点で、改めて消毒という行為を見直してみるとどうでしょう。

消毒すると痛みを感じますが「我慢しましょう」と言われた覚えがあるのではないでしょうか?

これは体がヤバい!危ない!と反応しているという意味になります。

 

傷を乾かすと痛くなるのも同様で、乾燥するとさらに神経が傷ついてしまうのだそうです。

それを防ぐためにうるおい治療では、ワセリンを塗った食品包装用ラップで包み、傷ついた神経が乾かないよう保護したことで痛みがおさまるという仕組みになっています。

傷を乾かすことについて補足

「傷を乾かして治す」というのは19世紀後半に生まれた考えで、現在では間違いであると証明されているそうです。

 

実際は「傷を乾かすと治らなくなる」が正解で、理由としては乾燥させると人間のあらゆる細胞が死んでしまうからだそうです。

 

傷口を乾かすと組織が干からびて壊死(えし)してしまい、壊死した組織がミイラ化して傷口を覆います。

これがいわゆる「かさぶた」です。

 

傷が治ったからジュクジュクしなくなるだけであり、乾かしたから治るわけではありません。

枯れた植物が生き返らないのと同じですね。

かさぶたは2種類ある

先程、皮膚が死んでミイラになったものと表現しましたが、これは「黒色壊死」という種類のかさぶたになります。

 

そのほかにもう1種類「痂皮(かひ)」という、傷から出てきた浸出液が固まったものが存在します。

こちらはワセリンを塗ったラップ、あるいは市販のハイドロコロイド被覆材で覆っておけば、自然に痂皮がとけてはがれていき、その頃にはきれいに治っているそうです。

 

ちなみにその過程では、傷口はグチャグチャしてくるし、においも出てきます。

私もアトピーの治療の間、やはりにおいが気になりました。

なかなか生々しいにおいが続きますからね。

でもこれは赤く腫れたり痛みがなければ問題はなく、むしろ傷を治そうと体が頑張っている証拠にほかなりません。

 

とは言え、ジュクジュクの浸出液が気持ち悪いことには変わりありませんし、皮膚は老廃物を外に出す排泄器官で炎症が起こる原因にもなるので、浸出液で汚れた皮膚は少なくとも1日1回は洗い流し、手当てし直すのが望ましいです。

 

一方、最初に挙げた黒色壊死は、その下に膿(うみ)がたまって化膿する確率が高いので、早めに除去する必要があります。

そのまわりが赤く腫れてしまっている場合は、すでに傷が化膿しているので必ず受診してくださいとありました。

本当に必要な消毒とは?

家庭において必要な消毒とは何か?

それは「物の消毒」です。

物は消毒薬や殺菌剤によって壊れません。

 

ふきんやまな板の消毒は食中毒の予防に有効です。

ノロウイルスに感染した患者の吐しゃ物を拭くだけでは不十分とされ、塩素系漂白剤での消毒が奨励されていました。

それも、ふきんも床も便器も消毒薬や漂白剤では壊れないから、消毒できるわけです。

 

しかし最初に書いてきたとおり、人体には被害が及んでしまいます。

本来、消毒薬は人体に使うべきものではなく、「医療行為としての消毒」の観点で言えば、本当に必要な消毒は次の3つだけで済むそうです。

  1. 関節注射をする前の皮膚消毒
  2. カテーテル類を入れる前の皮膚消毒
  3. 血液培養用の血液を採血する前の皮膚消毒

その他の消毒は、手術の傷も、カテーテル刺入部も、注射をする前の皮膚のアルコール消毒も不要だと言います。

 

病院ですら、これだけしか消毒が必要ないわけで、一般家庭であれば「消毒薬は物を消毒する時に使うものであって、人間に使うものではない」と考えて問題ないと説いています。

傷の消毒も、のどの殺菌スプレーも、手指の消毒薬も、消毒成分が含まれている軟膏も、すべてが不要。

 

実際、夏井先生の外来では上記3つに当てはまる治療がないため、消毒薬を一切置いていないそうです。

毎日多数のケガ人を治療している病院の外来で必要なければ、一般家庭ではなおさら必要なさそうですね。

 

消毒薬を家からなくすことは、むしろ誤って飲んだりしてしまう家庭内事故の防止にも繋がります。

傷を治す効果もなければ、化膿を防ぐ効果もなく、ただ重大な事故を起こすだけでしかないので、お子様がいるご家庭にとっては特に、より安全になって安心なのではないでしょうか?

手についているバイ菌は?

「手にバイ菌がついているからよく洗いましょう」

コロナ禍の今、より重視されているこの常識。

 

実はこれが曲者。

というのも手についているのはバイ菌だけではないからです。

 

手や顔の皮膚を顕微鏡で見ると、実に多くの細菌がいることがわかりますが、これがすべて病原菌かというとそうではありません。

人間の皮膚で見つかる細菌のほとんどである「皮膚常在菌」は、実は人間に対する病原性を持っていないか、持っていても病原性の低い細菌です。

 

この皮膚常在菌は、人体への病原菌の侵入を防いでくれる防衛軍として活躍してくれます。

人間はこの細菌たちを傭兵として雇い、健康を守ってくれる代わりに、食料と住居を提供する共生の関係を築いています。

これは人間だけでなく、ほかのどんな動物でも当てはまります。

 

皮膚常在菌が皮膚にびっしり住み着いて住む場所や栄養を独占することで人間の皮膚を弱酸性に保ってくれ、酸性環境で生活できない多くの病原菌から守ってくれます。

 

しかし手のバイ菌を落とそうとして、何度も石けんで洗ったり、消毒したり、ゴシゴシこすったりすると、皮膚常在菌にとって住みにくい環境となって減っていきます。

防衛軍が減るということは、外来菌である病原菌が侵入して増殖するチャンスを作ってしまうことに繋がります。

 

実際、頻回の手洗いで荒れた皮膚を調べると、皮膚常在菌ではなく黄色ブドウ球菌(食中毒などの原因となる)が検出されるようになるそうです。

 

もちろん汚れたものに触れば手にバイ菌は付着します。

しかし、それは水で十分洗い落とせるのです。

水でなく強い消毒薬で手を洗うたびに、自分の手にいた防衛軍は減少し、実は病原菌の侵入を助けることに繋がるのです。

ciel-myworld.hatenablog.com

常在菌については以前、こちらの記事でも触れています。 

参考文献

もっと詳細を知りたい方は、こちらの新書もオススメです。

本や新しい創傷治療のサイトの中では、状況別の各治療法や症例が掲載されています。

またサイトでは、この治療法を取り入れているお医者さん一覧を確認することもできます。

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