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人によって見え方や感情移入先が変わるだろうなぁと感じた小説本5選【同じ反応じゃなくたっていい】


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共感があると嬉しいけど、違ったっていい。しえるです。

近ごろ小説を読む数は以前に比べて減ってきてはいますが、その中ですごく考えさせられ、「この小説は読む人によって感想が全然違うんだろうなぁ~」と心に残っている本5冊を紹介します。

自分と違う意見を知ったり、自分ごとのように引き込まれたり、感情のざわつきが生まれることは、視座の広がりにもつながりますね。

人によって見え方や感情移入先が変わるだろうなぁと感じた小説本5選【同じ反応じゃなくたっていい】

朝井リョウ『何者』

就活中の大学生たちを描いた小説。
性格の違う男女5人が登場し、人によって共感先は変わってくると思いますが、いろいろ思うところも出てきたところで、私は気づけば傍観者でいられなくなっていました。

パウロ・コエーリョ『ベロニカは死ぬことにした』

ベロニカという自殺未遂を図った女性が精神病院で過ごす姿を描いた小説。

精神病院の中で自由に健やかに暮らす狂人たち、社会で苦しみや不安を抱えながら過ごす普通の人たち、精神病院で患者の反応に対して反射的に処置を施す看護師たち、論文を仕上げるため精神病院の患者の様子を観察する医師らが登場してきますが、誰を真の狂人と思うかは人によって変わってくるのではないでしょうか。

私はネクタイや法の見方についても考えさせられました。

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アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』

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ポアロミス・マープルなどの推理もので有名なアガサ・クリスティですが、この本で殺人事件は起こらず、理想の家庭を築き上げたと日々に満足しているジョーンという女性が、娘の見舞いからの帰路で「本当にそうだったのか?」とこれまでの人生を振り返る物語になっています。

私としては読み物として面白かったけど誰にも共感できず、特に感情の起伏や真新しい衝撃の展開はなくって想定の範囲内でした。

が、人によって青ざめたり、イライラしたりしているようで、見え方や見える範囲がまるで変わるだろうなというのは容易に想像できる内容でもありました。

まぁ言うてもジョーンが気づかずに過ごしてきたことはホラーではあったのですが、同時に別の違和感は覚えていて、最後にジョーンはなるべくして生まれたのだと合点がいき、やはり同等の何かがあるものなのだと思いました。

千早茜『男ともだち』

同棲する恋人・彰人と愛人の真司がいるイラストレーターの神名は、久々に仲がよかった大学の先輩・ハセオと再会して生活に変化が表れ始めるというストーリーの小説。

神名と私は全然違うと思うんだけど、でも共感もあって、全然他人事じゃありませんでした。

ちょっと話ずれますが、男女の友情は成立するか否かってよくあるけど、男女の友情が成立する人としない人がいるだけの話だし、そもそも成立している人がいる時点で、成立することを否定はできないじゃんって思っています。そりゃ成立しない人はしないでしょうね。

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凪良ゆう『流浪の月』

「あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう」

とある引き離された2人がまた出会った時、年を重ねてどう関係を築いていくのかというストーリーの小説。

私は主人公の更紗にものすごく共感しました。
でもその主人公にキレ散らかしている感想を見かけたりもしました。
あぁだからあの時……なんて思い当たることなんかも。

「事実なんてどこにもない。みんな自分の好き勝手に解釈してるだけでしょう」

事実と真実は非なるもの。同じ物事を見ているようで実は人によって真実は違うし、カテゴライズやネームドは所詮今ある言葉の組み合わせでしかなく、内実が伴っているとも限らないですね。

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