特別展「古代メキシコ —マヤ、アステカ、テオティワカン」
会場:東京国立博物館 平成館
会期:2023.6.16~2023.9.3
営業時間:9:30~17:00(土曜~19:00・入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日
※上記は2023年7月現在の情報です。最新情報は公式サイト等をご確認ください。
【ゼルダみ】普段なじみのなかったメソアメリカの独特で面白い文明を楽しんできました
東京国立博物館の平成館で開催されている古代メキシコ特別展に行ってきました。
私にとって、たとえばマリアッチとか死者の日、カラベラなどといったメキシコの文化は多少頭の片隅に入ってはいるし、マヤ・アステカ・インカ・ナスカがアメリカ大陸の文明というのもなんとなく覚えてはいるけど、インカ・ナスカは南米と即答できないくらいにはうろ覚え。
授業内容なんて覚えてなければ、詳しい地理やどんなものなのかもよく知らず、メキシコや中央アメリカ北西部をまとめて「メソアメリカ」と呼ぶことを今回知ったくらいには私の知識はほぼないに等しいレベルでした。
コロンブスが訪れるまでアジア・ヨーロッパ・アフリカと交流がなかったということで、とても独特で、これまで接してきた文化とはまったく違う雰囲気が面白くて、たいへん楽しめました。
ちなみにこの特別展は巡回展なので、この先福岡の九州国立博物館、大阪の国立国際美術館でも開催されるようです。
東京国立博物館 平成館へ
チケットは事前購入でき、特に日時指定はありません。
少し安くなる前売り券は6月半ばで販売終了していました。
チケットを買っていない人は右側の窓口へ、ネットなどで事前にチケットを購入している人は左側の係員さんにチケットを見せて通過していきます。
会場の平成館は入って左手へ、写真左手奥に見える表慶館のさらに奥にあります。
久しぶりに平成館の特別展に来ました。
スタッフさんにチケットを提示して入場していきます。
私は電子チケットだったのですが、提示したら紙チケットをもらえました。
エスカレーターを上がって第1会場へ向かいます。
トイレに行きたいときは会場入口の反対側にあります。
会場内はフラッシュを焚かなければ、個人利用にかぎり全作品写真撮影OK。
Twitter・Instagram・FacebookはOKと明記されていました。
第I章~第IV章と大きく4つのエリアに分けて展示されていました。
第I章 古代メキシコへのいざない
今から1万3,000年以上前、シベリアからアメリカ大陸に渡ってきた狩猟採集民がたどり着いて、定住するようになったのがメキシコの始まりなのだそう。
私は歴史に詳しくないのでマヤ文明とアステカ文明くらいしか聞いたことがなかったのですが、掲示された案内によると前1500年に湾岸部でオルメカ、前1200年にはマヤ地域、中央高原では前100年にテオティワカン、800年にトルテカ、1325年にはアステカと各地でいろんな文明が発達し、都市が生まれていたようです。
アステカ文明のチコメコアトル神の火鉢の複製。
主要な栽培植物であるトウモロコシの女神なのだそうですが、手にトウモロコシ持っててめっちゃわかりやすいですねw
ちなみに岡根谷実里さんの『世界の食卓から社会が見える』という本では、メキシコの礎であるとうもろこしについて触れられていたので、タイムリーに感じました。
球技をする人の土偶や実際のゴムボールが展示されていましたが、マヤ文明ではすでにゴムボールが存在していたと知ってビックリ。
ヨーロッパに広まったのは1490年代にコロンブスが西インド諸島のハイチで出会ったゴムボールを持ち帰ったことでという話ですから、メキシコすごい…。
儀礼用ナイフのテクパトルはナイフに顔がついていて面白かったですw
第II章 テオティワカン 神々の都
前100~後550年ごろまで栄えたテオティワカン文明は、約25㎢に最大10万人ほど住んでいたとされる、死者の大通りを中心に「太陽」「月」「羽毛の蛇」の3大ピラミッドや儀礼場、宮殿などの建物が整然と並ぶ一大宗教都市で、影響力の大きい多民族国家の都であったことが近年明らかになってきたものの、まだまだ謎の多い文明のようです。
羽毛の蛇ピラミッドには長さ103m、深さ15mもの地下トンネルが掘られており、最奥には王墓があったと考えられていて、盗掘されながらも多くの遺物が出土しているそうです。
私がこの古代メキシコ展見に行きたいと思ったきっかけとなった羽毛の邪神石彫。
羽毛の蛇ピラミッドの壁面を飾っていたそうです。
ティアキンをプレイ中の私ですが、このような遺跡があちこちに出てくるので「リアルゼルダだ~!!」とテンションだだ上がりでした。
この嵐の神の土器も羽毛の蛇ピラミッドの地下トンネルから出土したものだそうですが、他の土地とはまた全然違うデザインでもはやかわいらしいですw
鳥形土器は頭を見てニワトリのトサカだと思ってしまいましたが、発掘者によって「奇抜なアヒル(Pato Loco)」と名づけられているそうです。かわいい。
第III章 マヤ 都市国家の興亡
1世紀ごろから王朝が存在したマヤ地域では、250~950年ごろにかけてピラミッドなどの公共建築、集団祭祀(さいし)による共同体といった都市文化が主だっていて、精緻な暦や王の功績をあらわす碑文なども多く残されているようです。
1994年に行われた発掘調査では、辰砂(しんしゃ)と呼ばれる真っ赤な鉱物で覆われた女性の遺骨が発見され、DNA鑑定からパカル王の妃のイシュ・ツァクブ・アハウである可能性が高いと考えられて「赤の女王(レイナ・ロハ)」と呼ばれているそうです。
今回はその赤の女王の遺骨と一緒に埋められていた、メイングラフィックの中央にもあるマスクを始めとする装飾等の出土品が日本で初公開となっていました。
実際の発見した赤の女王の様子は映像で見られたのですが、これが本当に真っ赤な状態で、なかなか衝撃的な画(え)でした。
この碑文にある1つ1つのかたまりはマヤ文明の文字なのだそうで、かわいすぎてときめいてしまいました。
マヤ文明のチャクモール像は手が添えられたお腹の上に神様への捧げものを置いていたそうで、アステカ文明にも続いていたのだとか。
アステカ文明のプルケ神パテカトル像。
プルケとはリュウゼツランの発酵酒で、メキシコを代表する地酒なのだそう。
King Gnuの常田さんみを感じるのは私だけでしょうか…。
第IV章 アステカ テノチティトランの大神殿
13世紀にはメソアメリカ北部からやってきたメシーカ人らがメキシコ中央高原にやってきてアステカ王国を建国。
すでに消滅したテオティワカンなど古代の文明と神話を結びつけて統治していましたが、征服された民には不満が溜まっており、そんな中にやってきたスペイン人に加担し、1521年にアステカ王国滅亡へと至ったそうです。
鷲(ワシ)の戦士像。鷲の頭を被り、腕には羽、ふくらはぎに脚がついていて、ほかの展示品も含めた全体的に言えることですが、その発想に驚かされますw
ミュージアムショップ
第1会場の前には特別展のグッズショップが開かれていました。
展示品の魅力を活かしたグッズが展開されていて、惹かれる商品がたくさんありました。
メキシコの民芸品などもあって面白かったです。
古代マヤ文字のはんこは気になったのですが、絵柄が頭文字だけで、自分の名前も置いてなかったので残念でした。
青トウモロコシ粉、マサ粉などなじみのないものも並んでいて、お菓子づくりなどが好きな方には面白い一角かもしれません。