しえるです。
今月は地方統一選挙ということで各地で知事選などが行われていますね。
前半の低い投票率はもったいなくて残念なことだなと感じます。
子どもは嗜好品・贅沢品とまで言われてしまっている昨今ですが、自治体の政治によってまた、ハードルに差があるようです。
【自分なりの向き合い方】明石市市長の著書『少子化対策したら人も街も幸せになったって本当ですか?』と日々を過ごす自治体に目を向けるということ
明石市の泉市長が行った政策
5つの無料化
- 18歳までの医療費無料
- 第2子以降の保育料無料
- 0歳児のオムツ定期便(オムツの無料)
- 中学校の給食費無料
- プールや博物館など公共の子ども施設の入場料無料
この5つの無料化を所得制限なしで行っている明石市。
と言っても、子育てをしていない私には実感という比較はできないのであまりピンと来ません。
さいたま市・横浜市と比べてみた
明石市 | さいたま市 | 横浜市 | |
---|---|---|---|
出産応援給付金 | 妊娠1回当たり5万円(現金) | 妊婦1人あたり5万円 | 妊婦1人につき5万円 |
子育て応援給付金 | 児童1人当たり5万円(現金) | 児童1人あたり5万円 | 新生児1人につき5万円 |
児童手当・特例給付 | 0~15,000円 | 0~15,000円 | 0~15,000円 |
こども医療費助成 | 0歳~高校3年生 外来・入院医療費全額 ※生活保護法による扶助を受けていないこと |
0歳~中学3年生 一部負担金(保険診療分)の全額 ※生活保護や児童相談所の措置を受けている方などは、制度の対象外 |
0歳全額助成 所得制限額未満であれば1歳~小学3年生まで全額助成 所得制限額以上は1~2歳が通院1回500円負担&入院・院外薬局の全額助成、3歳以降は対象外 |
未熟児養育医療の給付 | 入院医療費のうち、保険適用後の自己負担額及び入院時食事療養費の自己負担額の全額 | 指定養育医療機関に入院中の治療に限られ、保険診療の医療費及び食事療養費(ミルク代) | 指定養育医療機関での入院医療費(保険診療の自己負担分と入院時食事療養費の自己負担分) |
特定不妊治療支援事業 | 治療1回あたり10~30万円 40歳未満:一子ごと6回まで 40歳以上43歳未満:一子ごと3回まで |
治療1回あたり10~30万円 40歳未満:43歳になるまでに6回まで 40歳以上43歳未満:43歳になるまでに3回まで |
治療1回あたり10~30万円 40歳未満:43歳になるまでに6回まで 40歳以上43歳未満:43歳になるまでに3回まで |
特別児童扶養手当 | 重度障害児 月額53,700円 中度障害児 月額35,760円 |
重度障害児 月額53,700円 中度障害児 月額35,760円 |
重度障害児 月額53,700円 中度障害児 月額35,760円 |
ひとり親医療費助成・外来 | 医療費の1割(上限:月額3,200円、対象児童は2,400円)が受給者負担 同月内において同一医療機関で受診した場合は、3日目から受給者負担はありません |
健康保険各法の規定による一部負担金(保険診療分)の全額 | 対象者は一部負担金を横浜市が代わって負担 |
ひとり親医療費助成・入院 | 医療費の1割(上限:月額3,200円、対象児童は2,400円)が受給者負担 連続して3か月を超える入院は、4か月目から受給者負担はありません |
健康保険各法の規定による一部負担金(保険診療分)の全額 入院時の食事療養標準負担額等は支給されません |
対象者は一部負担金を横浜市が代わって負担 入院中の差額ベッド代など保険診療の対象とならない費用及び入院時食事代の自己負担額(標準負担額)は助成されません |
児童扶養手当 |
ひとり親家庭・両親重度障害 2人目、3人目以降は各分増額 |
・ひとり親家庭・児童扶養手当を受給している世帯と同等の所得水準相互援助活動に係る報酬(助成対象費用と言います)の半額(助成上限額は1か月あたり2万円) ・多子世帯利用者負担額軽減第3子以降にあたる0~2歳児の児童を対象に、利用者負担額(保育料)の全額を免除 ・多子世帯応援クーポン ・JRの通勤定期乗車券を3割引 |
ひとり親家庭・両親重度障害1人目全額支給 44,140円、一部支給44,130円~10,410円 2人目、3人目以降は各分増額(令和5年4月1日現在) JRの通勤定期乗車券を3割引 バス・地下鉄等の無料特別乗車券交付 |
子育てヘルパー派遣 | 月曜日から金曜日まで8:00から18:00まで 1週間に3日以内、1回につき2時間以内 1時間あたり 生活保護世帯:0円市民税非課税世帯:300円その他世帯:700円 |
9:00から17:00までの間 1回1時間以上3時間以内 1時間あたり 生活保護世帯:0円 市民税非課税世帯/ひとり親家庭等医療費を受給:350円 その他世帯:700円 上限利用日数10~15日 |
月曜日から金曜日まで9:00から17:00まで 1回2時間以内、1日2回まで 生活保護世帯:0円 住民税非課税世帯:0円 市民税所得割の世帯:500円 1回(2時間以内)あたり、1,500円 産前・産後各20回以内(多胎児の場合は、産後40回以内) |
保育料 | 第2子以降の保育料の完全無料化 | 3~5歳児及び市町村民税世帯非課税者の0~2歳児 利用料無償 通園の送迎費や給食費、行事費は有料 |
幼児教育・保育の無償化(細かい対象や上限あり) |
訪問事業 | 0歳児の見守り訪問「おむつ定期便」 紙おむつや粉ミルクなどの子育て用品(約3,000円相当の品) |
こんにちは赤ちゃん訪問 生後4か月までの赤ちゃんのご家庭を地域の方が訪問 |
|
給食費 | 市内全公立幼稚園 月額400円 小学校 月額4,340円 中学校の給食費が無償 |
小学校が月額4,380円 中学校が月額5,130円(年61,560円) |
小学校は投稿日数や牛乳の有無などにより変わる 全日登校牛乳ありで月額4,307 円 中学校 牛乳あり1食330円 |
公共施設 | ・明石海浜プール 中学生以上500円・明石在住小学生まで無料 ・親子交流スペース ハレハレ 明石市民無料 ・天文科学館 大人700円・高校生まで無料 ・文化博物館 大人200円・大学/高校生150円・中学生以下無料 |
・しらこばと水上公園プール 高校生以上730円・小中学生210円 ・のびのびルーム 無料(今年8月まで) ・さいたま市青少年宇宙科学館 無料 (プラネタリウム大人520円・小人200円) ・さいたま市立博物館 無料 |
・港南プール 大人400円・子ども100円 ・はまぎん こども宇宙科学館 大人400円・小中学生200円 (プラネタリウム大人600円・4歳~小中学生300円) ・横浜市歴史博物館 一般400円・高校/大学200円・小中学生100円 ・親子のスペースはたくさんあるようです |
その他優待 | 副食費3~5歳無料 | パパ・ママ応援ショップ優待カード | 子育て家庭応援事業ハマハグ |
全体的にざっと軽く調べてみただけなので、抜け落ちなどはあるかと思いますが、調べていてまず1番に感じたのが、明石市の子育て支援案内に関するわかりやすさ。
明石市はこのようなページで一覧になっているので、明石市ではこんな支援を受けられるのだというのがわかりやすかったです。
また、上の表はほとんど市のHPからコピペしたのですが、文章が簡潔で内容がわかりやすいのが多かったなと感じます。
私も文字色とか太字とか装飾をもう少し使っていこうって思いました。笑
明石市はやっぱりおむつ定期便や中学生の給食費無料が魅力的だと感じますね。
さいたま市はカテゴリごとなのはわかりやすいのですが、このページから応援給付金や特定不妊治療のことはわからなかったりなど、明石市のサイトを見たあとでなければ存在に気づけなかったこともあると感じます。
ただ、こうやって比べて見ると、さいたま市も結構充実しているんだなと思いました。
さいたま市はこどもの医療費助成が中学生までですが、下のサイトによると、15~19歳の医療費は生涯で最も少額なのだとか。
医療費は各年齢でどれくらいかかるものなの? |ニッセイ基礎研究所
横浜もまたカテゴリごとなのはわかりやすいのですが、医療費などがこのページから探せなかったうえ、子どもの医療費助成は細かく助成対象が分かれていて、シビアだなと感じました。
給食費も特殊で金額を判断するためのチャートが載っていてビックリしました。
牛乳の有無など自分にあわせて選べるのは、人によってはいいのかもしれません。
住む場所によって受けられる支援も違えば、かかってくるお金も違うというのは想像どおりでしたが、考えなきゃいけないことの量まで違うことに驚きました。正直、横浜市はめんどくさそう…。
こうやって比べると明石市が飛び抜けていいわけではなく、それぞれ一長一短あるし、家庭によって優先順位や状況も違うからこそ、自分たちに合った自治体を探したり、希望に近い政策を掲げる立候補者に投票することは大事なんだと感じます。
理想を言ってしまえば、自分がこの先お世話になる可能性のあるものまで見通せれば尚いいのかもしれませんが、想像には限界がありそうだし、今目の前にあることで精いっぱいなことも多いと思うので、さすがに人力では難しいと思います。
日本の自治体数は1,700を超えるし、可能性を考えたらどこまでも際限ないし、そもそも考えることが多すぎて大変ですから。
明石市の財源は?
「まず明石市の場合、全体の予算が年間で大体2000億円くらいなんです。
1年でそのくらいの金額のお金が動いているということですね。
で、明石市の目玉政策である『5つの無料化』にかかるのが、ざっと34億円ほど。」
「そんなものなんですね!」
「全体の1.7%程度なんですよ。
例えば、年収600万円の世帯で、ちょっと多めに2%見積もっても、12万円ですよね。
1カ月に1万円。簡単に言ったら、子どもの習い事に月謝で1万円出しているのと同じ感覚ですわ。 」
最初は高齢者の財源を削らなければできないと思っていたそうですが猛反発で難しく、優先順位をつけて取り組むことで高齢者分は削らずに成し遂げたそうです。
それでも限られた財源、どこかは削らないと不可能ということで、削られたのは公共事業。
「例えば、以前、予算600億円の下水道の整備計画があったんです。
内容を聞いたら、100年に一度あるかないかのゲリラ豪雨に備えて、市内全域の下水道管を入れ替えると。
それをやらなかったらどうなるんって聞いたら、『大変なことになります。100軒くらいのお家が床上浸水の被害に遭います』と。」
「100年に一度あるかないかの災害で、被害が10軒の床上浸水。
床上浸水してしまったお家に1000万円支給した方が早いですね(笑)。 」
「そんなん、『私が10軒回って謝りに行く』と言いました。
そのために600億円って、どんなバランス感覚やねん。
結局、入れ替えじゃなくて重点化して、予算を150億円に抑えました。
150億円で済むことに、過度に予算をかけすぎてるんですよ。災害対策もそうです。災害対策って言ったらみんな反論できないと思っているのか、何十億もかけてハードを整備したりするんですよ。
それで実際に災害が起きて、結果、1軒の民家が助かりました、と。
そんなの、災害のときにはお家の方はすでに逃げてはるし、数千万円で家を建て直すことだってできるのに、何十億も使ってどないすんねん。
でもやった人たちは、『市民の財産を守った」と、いかにもそれが正しいみたいなスタンスなんです。
明らかにコストバランスが合っていないじゃないですか。」
「まあぶっちゃけ、工事をやることが目的ですからね。」
「その通りです。山奥の道路整備や災害対策をやって、土建業者にお金を落とす。
そんなこと続けていたらお金がいくらあっても足りないんで、そのあたりを適正化した感じですね。」
最近は公金中抜きのニュースも目立ちますが、それ以外にも予算や付き合いのある企業のための仕事とか、関係性を度外視したらどう考えてもコスパや収支バランスがおかしいものって多いと感じているので、それらを是正しているのは素晴らしいと思います。
所得制限撤廃したことで起こったこと
仮に所得制限をかけた場合、安いお金で済むけど、効果がほとんど出ないんですよ。
所得制限なしにすれば、お金はかかるけど、かえって税収が増える。
明石は「5つの無料化」を実施することで、どんどん人が増えていって、10年連続人口増なんです。
で、所得制限かけてないから、入ってくる人はほとんどダブルインカムの納税者でしょ。
お金を落とすから地域の経済が回り始めて、2021年には、明石駅前の商店街が過去最高益を叩き出しましたからね。
経済が回り出して、税収もどんどん増えているので、やればやるほど財源が貯まってく。
1つ1つの値段には細かく注目するのにサブスクの年間支出額には無頓着とか、遅刻には厳しいけど終わる時間が延びることは気にしないとか、木を見て森を見ない案件って多くなりがちだと思うのですが、泉市長は違いました。
「所得の高い人は制限されなくて嬉しい」「高所得の人が集まってきて税金を納めてくれるから税収が潤う」というWin-Winの関係を築いた明石市は、かけたお金以上にお金を得ることができたそうです。
ちなみにダブルインカムは1つの世帯で収入源が2つあることで、共働きや本業・副業などを指します。
「明石市」は『10年連続人口増』で、今年も人口増が続いている。兵庫県内で人口増が続いている市は現在「明石市」だけで、その増加率は、全国の中核市で“第1位”。もっとも人口増は目的ではなく、住みやすいまちづくりを続けてきた結果。大切なのは、『明石市民一人ひとりの満足度』だと思っている。 https://t.co/FrlCpjWXTK
— 泉 房穂(いずみ ふさほ) (@izumi_akashi) 2023年4月10日
精神的支援
孤立防止というか、先輩ママと話す時間を提供している感じです。
単に「オムツを毎月届けます」って言っても、「それってアマゾンでポチッとするのと同じじゃん」って感じる人も多いと思うんです。
でも、オムツを届けるのは表向きの役割で、相談相手と毎月会えるっていうところに本当の価値がある。
核家族化していることもあって、子どもの発育状態に不安を覚える人も多い中、相談できる相手がシステムとしてきちんと用意されてるっていうのが、意外と大事な気がしています。
私はオムツ定期便の話をすでにどこかで聞いたことがあったのですが、その時になるほどー!と感心したのを覚えています。
0歳児のオムツを無料で届けてくれるってだけでも、とてもありがたい政策だと思うのですが、こちらの狙いは経済的支援だけではありません。
私が以前弁護士だった頃、子どもの虐待案件をよく担当していて、その頃の経験がベースになっています。
厚生労働省の統計では、子どもが最も命を落とすリスクが高いのが、0歳から1歳の突然死なんですよ。
寝返りできなくて亡くなってしまうとか、ぬいぐるみで窒息しちゃうとか。
ベッドが平面になっているかどうかも重要だったりしますよね。
それに加えて、何らかの事故や虐待の可能性もある。
死亡するシチュエーションって、大体、お母さんと子どもの2人きりの状態ですし、虐待の可能性がある人ほど外とのつながりを断ちやすいんです
まずは先輩ママが届けてくれるので、育児の悩みの相談に乗る窓口となって、精神的支援の側面があります。
さらには大きな荷姿であるオムツを玄関内に置くまでをルールにしていて、生活に手が回っていないかや虐待が起こってないかという子どもの安全チェックにもなっています。
私の友人も「子どもが産まれて孤立しがちだったから、声をかけてくれて嬉しい」と話していたことを思い出しましたが、よくある相談窓口ってハードルが少し高いと思いますし、1手で3方面からの支援につながっているのは素晴らしいですね。
泉市長の市政への熱量の源
“弱者”の立場を経験し、気持ちがわかるからこそ、「誰も排除しない」ことにこだわり続けた12年でした。
「誰も排除しない」市政を目指した泉市長の原点は、障害者福祉にありました。
4つ下の弟がいるんですが、先天性の脳性麻痺を持って産まれてきました。
歩くことが不自由だったのに、近くの小学校ではなく、遠くの養護学校に通うように言われたんです。
両親が交渉して私と同じ学校に通えることになりましたが、「送迎は家族が責任を持つ」「何があっても訴えない」と誓約書を書かされました。
両親は漁で不在、私が毎日登下校をともにしました。
残念ながら誰も手を貸してはくれず、ただ冷たい目だけがあった。
子ども心に、こんな冷たい社会は嫌だ、自分が明石の街をやさしくしてみせるっていう誓いを立てたんです。
脳性まひで歩くのが不自由な弟の通学のしやすさよりも、責任や手間の回避を優先させた学校に不信を抱いたことが原体験にあったようです。
弟さんはこの後快復されたようでよかったですが、だからこそ当事者目線での市政が行えるのですね。
これは選挙のことしか考えていない人や健康・環境に恵まれた人には到底できないことです。
世界から学び続ける泉市長
実は、元国会議員なら国会図書館が使えるんですよ。
国会図書館のすごいところは、優秀な調査員がたくさんいらっしゃるところ。
なるほど、調査員を使えるのは大きなメリットですね。
海外の情報をたくさん調べてもらってるんです。
弁護士、衆議院議員、マスコミの勤務経験も持つ泉市長は、その多彩なキャリアの経験と権限を使いながら、海外ではどんな制度を取り入れているのかや霞が関でどんなことをやろうとしているかなど、貪欲に情報収集しながら市政に反映させている様子が本から窺えます。
私はこの本で、フランスの男女ペア出馬も初めて知りましたし、ルワンダのジェンダー平等が進んでいるというのも初めて聞きました。
男女格差(ジェンダーギャップ)指数ランキング(2022年版)だとルワンダは6位に入っており、いくつかサイトを覗いてみると完全に名実ともにとは言えないけど、意識は着実に変化していっているようだと窺えます。
「国際女性デー」 男女格差の少ない国 ルワンダの女性が講演|NHK 福島県のニュース
男女平等4位のルワンダ!理由と実情は?女性リーダーインタビュー | Africa Quest.com
始まりは地方から?
「日本はやっぱり、地方の人が頑張って中央を変える文化なのかなと思います。」
「そうでしょうね。遠い昔なら東京都の美濃部亮吉都政もそうですし、横浜の飛鳥田一雄市長もそうです。
国がトロいので、より国民に近い地方が先に動いて、国が遅まきながら参加するっていう歴史が続いているので。」
私にとって東京都の美濃部亮吉都政も、横浜の飛鳥田一雄市長も初めて聞く名前。
美濃部亮吉さんは1967~1979年まで都知事を務め、公害問題や福祉政策に取り組んだ方のよう。
TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
そして飛鳥田一雄さんは1963年に横浜市長になった方でどうやら、国に「横浜市はいつから独立国になったのかね」と言われながらも現在の横浜市の礎を築き上げたり、今の景観法ができる前に美観維持に声を上げたりした方のようですね。
泉さんも本の中で話していましたが、飛鳥田さんも「そんなに言うことを聞かないなら、補助金をやらないぞ」と脅されていたようで、どうやら国から自治体への圧力は日常茶飯事のようです。
飛鳥田一雄生誕100年<上> 市民の声聞き国動かす | 社会, 政治・行政 | カナロコ by 神奈川新聞
兵庫県の場合、明石市が子育て政策に取り組み始めてから、2年で周辺の13の地域が同じように子育て政策に注力するようになりましたから。首都圏でも同じことが起きると予想されますので、おそらく3年ほどで、何かしらの状況は変わると予想しています。
実際に明石市の取り組みを見て周辺もマネし始めたり、東京都も第2子の保育料完全無償化に向けて動いていたりします。
政治に詳しくない私でも、宮崎の知名度を上げた東国原元知事や『東京から国を変える』を掲げながら財政再建など取り組んだ石原元知事など、よその知事の活動が耳に入ってくることはこれまでもあったし、新型コロナが流行り出したとき、冷静に指揮をとって対処していた和歌山の仁坂元知事や、逆に財政難に陥っていた京都市の印象は記憶に新しいところ。
和歌山モデルの陣頭指揮を執る仁坂知事に聞く 大阪と隣接しながら感染抑制できた理由|まいどなニュース
日本がなかなか変わらなくても、自分が住む地域が住みやすければ、すなわち自分が生活しやすくなるということであるから、自治体の政治に目を向けることにはより価値を感じますし、選挙の投票や住む場所選びは大事だなと思います。
私なりに自分の住む自治体に向き合っています
自分の個性を考えたとき、自ら政治に関わっていくのはできないと思っています。
だからこそ、地域のために頑張ろうとしてくれている方に託すしかありません。
私の意思が100%叶うわけではないけど、私の持つ1票の投票権で意思表明できる機会を使わない手はないし、そのためにはどの方が本当に地域をより良くしてくれそうかという判断が必要になってきます。
私は選挙の度に「選挙はバーゲンセール。選挙の時だけ良いことを言う人が多いのは、選挙の時だけ政治を見る人が多いから。衝動買いせず、事前に商品を見定めましょう」と申し上げています。
— 熊谷俊人(千葉県知事) (@kumagai_chiba) 2023年4月9日
少なくとも現職に関しては選挙が始まる前に評価を下している必要があります。
千葉の県知事が書いたツイートには非常に共感しました。
というのも私は以前、政治に詳しくなかったけど「結局わからないことは知っていくしかない」と考えて「わからないなら、とにかく知るための行動をすればいい」と選挙に向けて情報集めをしたことがあるからです。
その時に「公約が口だけで参考にならないと思うなら、選挙のために取り繕う直前の一時的な姿ではなく、日常を見るようにするのはどうかと考えてみたのです。そこで党首や自分が住む選挙区の政治家のSNSをフォローしてみたり、一握りではありますが、気になった本や関連記事を読んだりするようになりました。」と、選挙が始まる前に情報集めをしたのです。
私はそのおかげで、選挙が始まるころにはだいたい、誰に投票しようかなという目星をつけられるようになってました。
最近の私が使っている判断基準
最近の自分は、他にも注目している点がいくつかあります。
こちらは選挙期間中でも考えやすいポイントなのではないかと思います。
1つは「そんなことしないでくれ」と思うことが公約や実績に書かれているかどうか。
どれが生活のためになるかってフラットに考えにくいものだと感じるんですけど、そんなことに税金を使ってくれるなよってことならまだ想像しやすいと思うんです。
たまにいるんですよね、え?それが実績だと思っちゃってんの?みたいなの。
2つめは、公約の中身に具体性があるかどうか。
これもまた、「私はどんな人」「こんな世の中にしたい」しか書いてなくて、具体的にこんなことをしていきたいということが一切書かれてない人っているもので、中身なさそうって理由で選択肢から外しています。
総選挙では自民党が勝利したにもかかわらず、同党の政策はさほど支持されていないことを示している。なお、そうした傾向は、「2014年、17年、21年の総選挙期間中に実施したコンジョイント分析において、一貫した結果である」という。
(中略)
この実験的調査の結果が物語るのは、かなり多くの有権者が、各党の政策などほとんど見もせずに、単に「自民党だから」という理由から自民党に投票している、ということにほかならない。
また、政策だけで比較するのもわかりやすいと思います。
政党など名前で考えると、つい先入観が混じってしまいますが、一旦今の自分の評価はさて置き、フラットに政策だけで比べてみる価値はあると思います。
なぜかと言うと、まず人には現状維持バイアスがありますし、自分と同じ理想を描いている人のほうがゴールに近づくのは明らかなはずだと考えるからです。
というのも目指す先が違えば、自分の描く理想にたどりつく可能性がずっと訪れないわけですから。
相手の考えが変わるのを待つより、理想に近いほうを応援するほうが建設的で近道だと思いますし、自分の権利を自ら無効にしてしまうのは非常にもったいないことだと感じます。
そのあと、政党の代表者がどんな人であるかを調べてみるのもありだと思ってます。
もちろん自分の住む地区の立候補者が信用ならなければ除外していいと思うんですけど、その人自身に問題を感じないのであれば、党の理念は参考になるだろうから。
代表クラスの方であれば特に、SNSや動画メディア、書籍などで考えを発信している人は多いですし、今ここで話してるのは政策で判断した結果、自分に近い考えと感じたからを起点としているので、照合しやすいでしょう。
嫌なイメージを持っているんだけどなぁ…と思ったときは、その最初の印象がついたのは何年前?誰を見て?をいったん考えるようにしています。
私は何年かに一度、食わず嫌いチェックをして今も本当に食べられないのか?を確認したりするのですが、それと同じで何年もあれば、自分も相手も考え方や経験値に変化があることだってありますし、メンバーが変わってる可能性もあるし、一部を見て判断していた可能性もあるからです。
例えばある一部の姿を見て、それが属する全体を嫌だと思ってしまうことってありがちと思うんですけど、一部のマナーが悪い人で自分まで悪く見られるのもまた、多くの人は嫌がると思うんですね。
それは結局、同じ何かを基に集まっていてもいろんな個人個人が集まっているものだからと思いますが、1人を嫌だと思っても全部が嫌なわけではない話なはずです。
トップの理念がしっかりしていれば、もし仮に変な人がいてもそういう人は遅かれ早かれ勝手にやらかしますし、処分を受けるはずだからこそ、トップの精査をしようと思うのです。
選択肢が少ないと困るなぁと今も思うのですが、選択肢が多い時はこんな感じで選択肢を絞ると比較しやすいなぁと感じているこの頃です。
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