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のびのびとした奇才・芦雪の素晴らしい襖絵「虎画」「龍画」所蔵の日本一小さな美術館:錦江山無量寺・串本応挙芦雪館(和歌山県串本町)


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錦江山無量寺・串本応挙芦雪館

住所:〒649-3503 和歌山県東牟婁郡串本町串本833

TEL:0735-62-0468(無量寺)0735-62-6670(応挙芦雪館)

営業時間:9:30~16:30 年中無休 駐車場:あり

アクセス:JR紀勢本線 串本駅から徒歩10分

※2020年10月現在の情報です。最新情報は公式サイト等をご確認ください。

www.muryoji.jp

のびのびとした奇才・芦雪の素晴らしい襖絵「虎画」「龍画」所蔵の日本一小さな美術館

和歌山県南部の串本町にある無量寺には、昭和36年に日本一小さな美術館として開館した「串本応挙芦雪館」が併設されています。

館内は円山応挙長沢芦雪師弟の作品を中心に、伊藤若冲などの近世絵画・墨蹟(ぼくせき/高僧による書)96点や、地元の出土品の考古資料など合わせて1,584点が収蔵されています。

 

私は虎や龍の絵が大好きなので、よく知らないまま芦雪の「虎図」「龍図」目当てに訪れました。

絵自体も素晴らしかったのですが、とても変わった芦雪の人物像や絵に隠された意味を知るとより楽しめると思ったのでシェアします。

円山応挙長沢芦雪とは?

江戸時代中期、師・円山応挙(まるやまおうきょ)弟子・長沢芦雪(ながさわろせつ)という絵師の師弟がいました。

 

弟子たちの中でも際立つ存在で「奇想の画家」と呼ばれる芦雪は、多芸多才な酒豪でいたずら好きの皮肉屋と悪名高い、自由奔放な破天荒キャラだったそうです。

師匠の描いた手本を自分が描いたかのようにそのまま提出し、それに気づかず応挙が手直した絵を芦雪が清書し直して再提出して褒められた…なんてエピソードも。

 

現在では事実ではないと見られていますが、3度破門されたという話があがったり、実のところは分かっていませんが最期は「自殺した」「毒殺された」とされるなど、逸話がポロポロ出てきます。

なぜ無量寺にあるのか? 

元々和尚さんと親交のあった応挙は、お寺建立の際に襖絵を描く約束をしていました。

応挙はお祝いとして障壁画12点を制作し、年齢や多忙もあって絵を届けるのを弟子の芦雪に託して南紀に派遣します。

 

和尚さんの勧めでそのまま無量寺滞在することになった芦雪は、襖絵に取りかかることなくお酒を楽しんでたかと思うと、一気に筆を走らせ大作を描き上げるという奇才っぷりを発揮していたそうです。

約10か月に及ぶ南紀滞在の間に約270点もの作品を仕上げ、和歌山の各地に作品が残されています。

無量寺の様子

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車は無量寺敷地内にある駐車場にとめられますが、その前のお寺への道がかなり狭いので要注意です。

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屋根の上からこちらを覗く逆さ狛犬。足の揃い方としっぽが可愛らしいです。

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ヒオウギというのでしょうか?どこか南国な雰囲気漂うお寺です。

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境内にある謎の顔の石が気になりました。笑

酒井良作の石彫作品のようです。

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観音堂

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無量寺本堂の中では、芦雪代表作である「虎図」「龍図」のデジタル再製画のレプリカ襖絵(ふすまえ)を観ることができます。

代表作「虎図」「龍図」について

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「龍図」はとてもやわらかな印象で、のびのびと描かれています。 

龍と言えば力強く描かれることが多い中で独特なタッチですね。

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「虎図」も、丸々として可愛らしい猫科の色が強い虎さんです。 

輪郭線を書かない「付立(つけたて)」という技法で描かれています。

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こちらは先ほどの虎の襖の裏面。

猫が3匹いて、その中で右端の1匹が水の中の魚を狙っています。

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実はこの襖絵は、表裏に描かれていることに意味のある仕掛け絵となっており、表の虎は、魚から見た自分を狙う猫の姿と見立てられています。

よく見ると、左前脚を突き出す姿や下側に丸まるしっぽが虎と同じに描かれていますね。

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ちなみに襖絵はデジタル再製画のレプリカと書きましたが、こちらの収蔵庫には本物がきちんと保管されています。

作品保管の都合上、雨天時には入館できず、その分入場料がお安くなっています。

収蔵庫は見たいとスタッフさんにお声がけすると入れて、私が行った時は、収蔵庫の中は写真撮影禁止となっているなど、注意事項の説明がありました。

地図

 


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