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お箏を題材にしたマンガ「この音とまれ!」で感じた3つの「信じる」の重要性【美しき時瀬高校筝曲部の絆】

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「天泣」を聴いて箏の音色の魅力に気づき始めました。しえるです。 

 

アミューさんによる大好きなお箏(コト)漫画「この音とまれ!」が、7月13日まで「ゼブラック」や「BOOK☆WALKER」で1~17巻まで無料公開ということで読み直してみたら、登場時と今読んでいるところとでキャラが違いすぎて(主にさとわ)ビックリしました。

そして、だからこそ改めて、時瀬高校筝曲(そうきょく)部が積み重ねてきた箏の練習成果と人間関係の構築にグッとくるものがあります。

ゼブラック
ゼブラック
開発元:SHUEISHA Inc.
無料
posted withアプリーチ

この漫画では、箏や筝曲部と向き合っていくことで部員たちが得ていく絆、つまり「人とのつながり」がとても丁寧に描かれていますが、今回はその絆を築いてきた3つの「信じること」について触れてみたいと思います。

お箏を題材にしたマンガ「この音とまれ!」で感じた3つの「信じる」の重要性【美しき時瀬高校筝曲部の絆】

あらすじ

 時瀬高校・箏曲部は、先輩たちの卒業により廃部寸前。ただ一人の部員となってしまった武蔵は、新入部員集めに苦戦していた。しかし、そこへ見るからに不良そうな愛や箏の天才であるさとわ、愛の友人・実康ら3バカが入部したことで状況は一変。ドタバタしながらも懸命な練習を重ね、学校中を納得させる演奏をするまでに。武蔵と同学年の妃呂も加わり、部員数7人となった時瀬箏曲部は県予選大会へ臨み、全国大会への切符を手に入れるまでに成長したのだった。
 そして新年度、新入部員の侑と名都を迎え、時瀬箏曲部は新たなスタートを切る!!

jumpsq.shueisha.co.jp

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1巻試し読み

相手の言葉を信じること

本音を話さなくなっていくきっかけって、自分の言葉が届かなかったとき、もしくは相手を傷つけてしまったと感じたときのどちらかってのは多いのではないかと感じます。

それはのちに時瀬高校筝曲(そうきょく)部に入部するお箏の家元の娘・鳳月(ほうづき)さとわや、冷やかしで入部した来栖妃呂(くるすひろ)のように。

 

自分が本音ではなく建前で話していると、相手の言葉も建前だろうなと思うだろうし、それでは相手の言葉を信じることはより難しくなります。

つまり相手を信じるためには、まずは自分が本音をさらけ出せるようになることが大事なのではないでしょうか。

 

また「どうせ私の言葉なんて届かない」と感じる場合には、もしかしたら自分が相手の言葉を聴こうとしていなかった可能性もあるかもしれません。

私は初対面やよく知らない人からでも、「実はね…」とか用件以外の身の上話を聴くのは日常茶飯事で、「そんなことまで話しちゃうの?」というくらい色々聞き出してしまうので(おじいちゃんの秘密の趣味の話とかかわいくて仕方ないですw)、周りから「話しやすい」「聴くのが上手い」もしくは「聴きすぎ」と言われることがあるのですが、それだけふだん話を聴いてもらえず我慢を重ねている人が多い世の中ってことなのかなぁと感じています。

噂や憶測ではなく本人の言動を見る

先輩たちの卒業により、部長の倉田武蔵(たけぞう)1人となってしまった時瀬高校の筝曲部。

その部室は不良のたまり場となっており、武蔵が暴行を受けそうになっていたところに、新入生の久遠愛(くどお ちか)が飛び込んできて蹴散らします。

 

「西中の久遠」といえば、警察沙汰の事件を起こした不良として知れ渡っており、上級生や地元民の間でも恐れられている存在でした。

不良に部室を荒らされ続けてきた武蔵は、そんな久遠の「筝曲部に入部しに来た」という言葉を信じられません。

「荒らしてるのは君もだろ!!
 っ何なんだよ一体!突然押しかけて好き勝手やって
 何企んでんだよ!部に恨みでもあるのか!?」

「だから『入部』だっつってんだろ!何度も言わせんな!!」

「信じられるわけないだろ…」

武蔵の言葉を受けて部室を立ち去る久遠。

そこで初めて武蔵は、久遠が荒らされた部室をキレイにしようとしていたことに気がつきます。

翌日、武蔵は久遠のもとを訪れますが教室にはおらず、代わりに久遠の友達の高岡哲生(てつき) から噂の事件の真相を聞きます。

「不良だろうが何だろうがあいつは俺の孫だ
 俺があいつのじいちゃんでいたいんだよ」

実際に久遠は昔荒れており、誰のことも信じられずにケンカに明け暮れていたのですが、箏職人であったおじいちゃんと過ごすうちに、ケンカやその仲間から離れていくようになりました。

しかしそれを面白く思わなかった昔の仲間が、久遠のフリをしておじいちゃんの家を襲撃し、それが直接の原因かはわかりませんが、その後おじいちゃんは亡くなってしまいます。

そんな背景から久遠はおじいちゃんが大切にしていた箏を知るため、おじいちゃんのつくった筝曲部に入部しようとしていたのでした。

「来い!!」
「は!?俺は何もしてねぇよ!それよりコイツを――」
「だまれ!誰がお前の言うことなんて信じると思うんだ!!」

そんな中、久遠に追い払われた部室荒らしの不良たちが報復として、久遠のフリをして武蔵や部室を襲撃してしまいます。

倒れた武蔵に駆け寄る久遠に対し、騒ぎに駆けつけた先生たちは久遠を犯人だと思い込み、信じて疑いません。

「ヒドい目に遭ったわね、例の久遠って子にやられたのよ
 久遠って子とはもう関わらない方がいい!
 関わるとロクなことにならない!今回ので分かるでしょう!?」
 

いてもいなくても一緒なんて言われる僕とは住む世界が違う

――久遠君と関わるって…こういうことも覚悟しなきゃいけないんだ

いてもいなくても一緒なんて言われる僕とはやっぱりもう関わるべきじゃないんだ

僕は部を守らなきゃ――…
 

「ここの筝曲部をつくったのがあいつのじいちゃんだからなんです」
「あんなんで何が大事だ 笑わせんな
 てめぇの”守る”は何もしねぇことか!」

襲撃犯が誰かわからず、保健室の先生から「ロクなことにならないから」と久遠に近づかないよう諭される武蔵は、部を守るために先生たちの言うとおりにしようとします。

しかし、汚された筝曲部の看板がキレイにされていることに気づき、不良を追い出し、荒らされた看板を拭き上げ、部室を整頓するなど、筝曲部を守ろうと実際に行動していたのは久遠であったことに思い至ります。

久遠君は筝曲部の新入部員なんです
部室にいてあたりまえでしょう!?

校長室に呼び出され、何があったのか説明を求められる久遠のもとに、武蔵が駆けつけて犯人ではないことを先生たちに伝えます。

「誰がお前を信じる!どうやって!!!」「白状しろ!」
「…俺――…」
「こんのくそガキャ!じいちゃんをナメんなよ!ちゃんと分かってる!」

武蔵が久遠はやっていないと信じ、擁護してもらえたことに、昔の事件のときにもおじいちゃんが自分のことを信じてくれたことがよぎります。

 

こういうとき、周りがどれだけ疑っていても、自分のことを信じてくれる人や話を聞いてくれる人が1人いるだけで本っ当に救われるんですよね。  

(昔、誤解からLINEグループで炎上したことがあるんですけど、1人だけ私の言葉を聞くまで何も言わないでくれていたことがありました。

夜勤明けで寝ていたというタイミングの悪さもありましたが、人って友人だと思っていた人たちであっても、疑念だけでいくらでも膨らんで拍車がかかっていき、500件以上もあることないこと無関係なことと責め続けることができることを知りましたし、そのおかげで私の言葉を聞いて判断してくれる人がたった1人でもいることがどんなにありがたく、嬉しいことかを痛感しました。)

出元の分からない憶測による偏見や先入観を捨てる

「なぜ君が筝曲部に入部を…?」

「――…祖父が…ここの筝曲部は俺の祖父がつくったものだからです
 祖父が大事にしていたものは俺のせいでほとんど壊れました
 だから残ってるモンがあれば守りたいし
 祖父の大事にしてたものが どんなものなのかちゃんと知りたいんです
 ――だから筝曲部に入部しました」

「っそんな話が――」

「嘘ではないでしょう、彼の祖父というのは私の友人です」

「だ だからといって久遠がやってない証拠にはならんでしょう!
 大体その祖父の家をこいつは――」

「言葉を慎みなさい!!それこそ証拠のないこと
 偏見から生まれた憶測でしかない 違いますか?」

久遠の祖父と友人であった校長は、久遠がどんな思いで筝曲部に入部したのかを尋ねます。

そして久遠の言葉を傾聴する校長とは逆に、久遠の粗暴さや噂による偏見から一向に久遠の話を聞く気のない教頭は、校長から一喝されてしまいます。  

勝手に決めつけない

武流(たける
何も知らないくせに勝手なこと言うな

人は自分の視野のうちでしか物事を考えられないものだと感じます。

自分が出元のわからない憶測の源にならないためにも、また自分が決めつけられないためにも、勝手で余計な決めつけはしないに越したことはありません。

ciel-myworld.hatenablog.com

本人の言葉を聴く

俺 本人が言ったことしか信じねぇから

これは私自身、なるべくそうであろうと気をつけているものです。

責任から逃れようと誰かのせいにしたり、他者を引きずり落として陥れようとする人もいる中で、よく知らない間柄の本人以外の言葉を信じてしまうことはとても危険なものだと思います。

繊細でネガティブな内容であればあるほど尚更のことです。

 

お互いの生活パターンが合わないときなどすれ違いやすかったりしますが、相手の状況が見えないときに対話まで減ってしまうと、お互いに疑念が湧き出てくるもので、それぞれで愚痴る相手がいたりすると対立は一層深まるものだというのを経験して散々な目に遭いました。

だからこそ当人同士のコミュニケーションはとても大事と考えています。

 

伝言ゲームで最初の言葉が正しく伝わらないように、間に誰かが挟まれば挟まるほど、元の状態から遠ざかっていくものだと思います。

そうなると相手の真意を知りたいとき、憶測とか無関係な他人の感想とかを耳に入れる必要ってないと思うんですね。 

なので私はなるべく本人ソースを知ろうと心がけており、最近もデマ情報やメディア対応が話題に上がるのを見かけますが、是非を問い詰められている状況であればあるほど、その気持ちは一層強まります。

「ただ何か理由があるなら聞こうかと思って
 ――ちゃんと話してくれるならちゃんと聞くから」

相手の言葉を聞いてから、自分がどう感じるかを判断しても全然遅くはないし、むしろ判断を間違えないために欠かせない大事な意思疎通の時間だと思います。

身近な人であればあるほど、当事者としての主観や感情が入ってしまってなかなか難しかったりしますけどね。

「え 何あれ…あれが時瀬の筝曲部…?柄悪…」
「怖…不良じゃん…あんなのが本当に箏やってるわけ?」
「そーゆーの本当迷惑」
「うちら本気でやってんのに」

そして本人と言葉を交わさず、見た目とかジャンルで決めつけてしまうほどに、本質は見えてこないものだと感じます。

自分を信じること

私はこれまでの経験だったり、いろんな所でもらってきた言葉だったりのおかげで、少しずつ自分を信じることができるようになってきました。

しかし、自分が全幅の信頼を寄せる友人らが「自分にはできないから」「○○だから私には無縁の話」といった言葉を発するたびに、とてももどかしく思うと同時に、自分を信じることの難しさを改めて痛感します。

現状となりたい姿がかけ離れていても気にしない

「僕みたいな凡人には全国目指すことさえ夢みたいなことなんだ
 実力に見合わないほど夢をもつほど子供でもない…!」

「――実力なんて目指してからついてくるんですよ
 上を目指さない人に実力なんて一生つきません
 だったらなんで去年の予選会 落選結果の後泣いていたんですか」

自分が上達したことで周りのハイレベルさに気づいたとき、現状がともなってないおこがましさを感じて、勇気をなくして尻がすぼんでしまうことはあります。 

でも行動をしないことには、実力というものはついてきません。

 

個人的には昔、パソコンが苦手で、圧倒的に美的センスがないと思っていた仲いい同僚のおじさんが「フォトショで画像編集ができるようになりたい」と言い出し、最初は周りも笑っていたのですが、努力に努力を重ね、仕事として成り立つほどに成長していく様を間近で見ていたのには、とても大きく衝撃と影響を受けました。

その友人は他にもパンやケーキをつくれるようになったり、フルマラソン大会を完走するようになったりなど、ゼロの状態からひとつひとつ会得していっていて本当に尊敬しますし、私がもっといろいろできるようになりたいと思って、転職や一人暮らしをリアルに考え始めたのもこれが1つのきっかけだった気がします。

別に今からでも遅くないだろ
たとえ大人だろうが今日のあいつらみたいに
何かに全力になって本気で楽しめば
同じように輝ける
そういうのを忘れて
「もうできねぇ」って思い込んでる大人が多すぎるだけだ
変な話だよな
大人なんてガキの頃よりずっと自由で
やろうと思えば何でも自分の責任でできちまうのに

今ではYouTubeとかで簡単に人が1歩ずつ成長する姿を目にすることができますよね。

何百万人という登録者のいる大物YouTuberたちも、5~10年前の動画を見ると今とは違ってただの素人だったことが一目でわかります。 

「――鳳月さんに言われた通り 確かに僕…心の底では全国に憧れてた
 でも去年惨敗して 思い知って それでもまた上を目指すって言う勇気が僕には無かったんだ」 

その一歩を踏み出す勇気って大きい壁なんですよね。

ずーっと最前線で活躍しているような方たちというのは、自分の力不足を認識したうえで、それでも励み続けて邁進していらっしゃるのだろうなぁと今は思います。

自分を信じてくれている人の存在に気づく

「なあ 愛 お前 自分のことあきらめるなよ
 周りがまだお前のことあきらめてねぇのに
 お前が一番最初に自分見捨ててんじゃねぇ
 そんなんじゃいつか本当に孤独になっちまうぞ」

「――…今と何が違うわけ?」

他人が信じられず自暴自棄なときって、周りの人の心配や愛情はなかなか届かなかったりします。

私も気がつくまでにとっても時間がかかりました。

 

自分を見捨て続けていると、実はすぐそばにいた自分を信じてくれている人の存在に気づかないまま、味方を失ってしまうこともあります。

できれば久遠のように取り返しのつかない後悔をする前に気づきたいものです。 

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自信がなくても経験に裏打ちされていく 

「お前あんな風に言われて悔しくねーのかよ」
「や…ああいう反応慣れてるし」
「バカにされることに慣れてんじゃねぇ!!」
「っ…別にそういうわけじゃ…
 ただ気にしていないってだけで」
「だったらもっと堂々としてろよ!
 笑ってごまかしてんじゃねぇ!!」

時に「そんな(くだらない)ことやってるの?」と下に見られたり、過去の状態しか知らない人に対して、現状で成果が出せていないから何も言い返せないことってあります。 

その挫折や打ちのめされた経験によって、今の自分が手応えやワクワクを感じていたとしても、下側の立場を甘んじて受け入れていた過去の自分が顔を出し、恥ずかしい気持ちになったり、がんじがらめになって動けなくなったりします。

お前元同級生には笑ってごまかして
俺からは目をそらすのか
周りをひっぱっていかなきゃいけねぇ部長のお前が
自分の気持ちにすら自信もてねぇようじゃ
全国なんて到底無理だな

自分の気持ちは自分だけのものなはずなのですが、そういった気持ちに飲み込まれてしまうと、培ってきた何かは簡単に吹き飛んでしまって、何もできなかった頃の自分に気持ちが戻ってしまったりします。

――自信なんてどうやってもてばいいんだよ…

自信のない人間にとって、自信を持つというのはとても難しいことです。 

自信なんて一朝一夕でつくもんじゃない
だから今はせめて部長としてやれることやらなきゃ
やらなきゃ

やらなきゃ、できなきゃ、弱音を吐いちゃいけない、自分でどうにかしなきゃ…。

ついそんなサイクルに人は追い込まれがちです。

そうやってあがいている間は本当に苦しいものですが、実は周りは疑ってすらいないのに、自分で自分の不足を追及し続けている、その頑張りをいつまでも認められずにいるのは自分だけだったりすることも往々にしてあります。

 

しかしある日ふと突然、そのあがきは身になっていることに気づいたりもします。

がむしゃらになっている間は気づきにくいけど、その時に得たものってちゃんと蓄積されていくんですよね。

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不足の追及より補い合いの精神で自分の価値を否定しない

でも今は1人じゃ足りない部分とか欠けてる部分を助け合えるものなのかなって思います

一見何の接点もなさそうなメンバーが足りない部分補うみたいに支え合っててそれが…そーいうのがなんか…いいなって思ったから…

「~しなきゃ」が生まれる背景には、他人の欠点や過失など粗探しをして追及し合うコミュニティの存在もあったりします。

でももううんっざりなんです
会のしがらみも辛い過去も
自分がそれに縛られるのも
縛られて動けない誰かを見るのも

しかし、そんなコミュニティからは脱して、苦手なものは補い合えばいい話です。

 

そういったコミュニティってやめた人について、ふと思い出してはあれこれ定期的にけなしたりするので、その場にいたら蝕まれてしまうのも仕方ないことです。

誰かを犠牲にしないとエネルギーが生み出せない場所に明るい未来はないと思います。

「それにお前筝曲部の部長をやってるそうじゃないか
 なぜ言わない」

「なぜって…別に言う程のことじゃないし
 部長って言っても俺一人しかいなかったからなっただけで…」

「武蔵 自分で自分の価値を下げるんじゃない
 お前一人しかいなかったということは
 お前は一人でも存続させようとがんばったってことだろう
 十分立派なことだ」

「できて当たり前」的な考え方がまん延していて、自分がやってきたことやできることに対しての価値を下に見積もってしまう場面って多いように感じます。

たまたまやってただけとか、誰にでもできるとか、自分の力じゃないとか。

でも100%全員ができることってほぼないと思いますし、きっかけが何であったとしても、レベルがどの程度であったとしても、自分がやったことに価値ってあると思います。

やらなければその物事が動くことはなかったのですから。

 

部を1人でも守り続けていた武蔵がいたから久遠は入部できたし、久遠が部を守ろうとしてくれたから武蔵は筝曲部の部員を増やし存続することができました。

どちらが欠けても成り立ちません。

 

先日も友人が「音程聞き取ることくらいは誰だってできるよ」と話していて、それは全然普通じゃない、すごいことだよって思いました。

どおりで当時、私が主旋律を聞き取るのでいっぱいいっぱいだったのに対し、軽々と和音や伴奏を再現してみせていたわけです。

それができるから音楽で食べて行ける人がいるのであって、携わらない人からすれば、なんですぐ弾けるの?とかそういうレベルではないかと思いますし、だからYouTubeとかで初見で演奏がコンテンツになるわけですよね。 

 

自分ができること、やってきたことをかけ合わせることで唯一無二のものが生み出せるわけで、すべては価値のある大事なものなのだと思うこの頃です。

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相手が信じてくれる自分を信じてみる

――この前鳳月が自分のこと話したとき
「話してくれてありがとう…っ」――って
あれ多分あの瞬間あいつが一番欲しかった言葉じゃん
その言葉とっさに出んのすげーじゃん
あーゆーの俺は言えねーもん

これまで奔放な筝曲部員たちのことを気にかけ、まとめあげてきた武蔵に対し、部長であることに疑問を持つ者はいませんでした。

別に俺だって自分のことなんか信じてねーよ
――でも俺は俺のこと信じてねぇけどじじいが…信じてくれてお前が認めてくれたから

…え?

――前俺が疑われた時お前来てくれたじゃん

「久遠君は筝曲部の新入部員なんです!」

俺みたいなの信じて部員って認めてくれたじゃん
だから俺はお前がいたから今…

とにかくうちの部でお前のこと部長って認めてねーのお前だけだろ!
自信なんて目に見えねーもんにふり回されてんじゃねぇ!
見えねーんだからあるっつっときゃあるんだよ!!

――僕は自信より大事なものをもう持ってた

堂々として見える久遠も決して自信があるわけではありませんでした。 

それでもおじいちゃんが、武蔵が久遠のことを信じてくれたから、箏と向き合うことができています。

 

武蔵は部長の自分が皆に迷惑をかけられないと、自分の中でぐるぐるしてしまいましたが、とっくに皆にとっての部長であり、支え合える仲間だったということに気づくのでした。

弾いていいに決まってんだろ!!
っダメな理由なんてねーじゃん
お前箏すげぇ大事にしてんじゃん
じいちゃんの気持ち大事にしてんじゃん
お前がちゃんとまっすぐすぎるくれーまっすぐ箏と向き合ってきたのちゃんと見てたよ
俺らはちゃんと見てた!!!

久遠もまた、おじいちゃんの事件のことから、自分に箏を弾く資格があるのか悩み続けていました。

でも悩みながらも真剣に箏と向き合っている久遠の姿を、仲間たちはずっと目にしてきています。

久遠が頑張っているから周りの心も動かされ、一緒に頑張れていることも多々ありました。

自分ではわからなくても、時には周りの人の方がその頑張りを理解していることもあるわけで、そんな自分を見てくれている周りの人の言葉を信じてみるのもありですね。

「今の来栖さんのことちゃんと知ってるから大丈夫」

「ご心配なく あなたよりは人を見る目あるんで」

あたしはせめて倉田が信じてくれた自分でありたい

来栖さんは過去のトラブルから人を信じられなくなり、誰かを同じ目に遭わせることばかり考えていましたが、筝曲部に出会って変わることができました。

そんなトラウマの原因となった人たちと偶然再会したときに武蔵がかばってくれるのですが、過去の嫌な自分ではなく、今の姿を認めてくれるのって本当に嬉しいことだと思います。

人間ですから時にはとっさに嫉妬やエゴをぶつけてしまうこともありますが、それでも自分のことを信じてくれている人の存在が気持ちを改めさせてくれることもあります。

まあでも絶対ムリと思ってたらわざわざ言わないですよね先生は

そもそも悪意がない限りは、絶対に無理だろって思っていることをわざわざ声かけたりしませんね。 

相手を信じること

「相手の言葉を信じること」と似ていますが、あくまで非なるものだと私は思っています。

こちらは相手の言葉や行動がなくても「相手を信じる」という一段階上のものだからです。

おそらく月日を重ねないとたどり着かない境地ではないでしょうか。 

 

「好き」って言ってもらえないと不安に感じてしまう話とか、1番わかりやすい例ですね。

相手が「好き」と言ってくれていても信じられない人もいる中で、言葉も便りもない中でも、相手を信じていられる人は果たしてどれだけいることでしょうか?

この境地まで来ると、いくらでもどーんと構えていられるものだったりします。

 

以前の私はひとりぼっちになることを恐れていましたが、そのような全幅の信頼を寄せられる大切な人たちとの繋がりができたことで、心がずいぶん楽になって、自分のことに集中できるようになったし、コロナ禍で1人で過ごす時間もまったく寂しくないと思えるようになりました。

相手の歩みを信じる

全国って誰か一人に連れていってもらう所じゃないと思う…!

――…みんなで一緒に行く所だと思う

入部当初、さとわは自分が突出した力を持っていれば、高校レベルくらい勝てると考えていました。

しかし、実際の常勝校の演奏を聴いて、その考えは間違いだったと気づき、考えを改めます。

ま…周りの音が聴けないって…どういうこと…?
合わせ方が分からないってどういう意味…?

当初はさとわの想像を下回る部員たちのレベルの低さに理解が及ばず、途方に暮れていたりもしました。

先生みんなのことナメすぎです
みんなすごい勢いで上達してます
私もうかうかしてられないですよ

しかし破竹の勢いで吸収していく仲間たちを見て、どんな難関も彼らはいずれ必ず会得できると確信するようになっていきます。

…コータ!大丈夫!絶対できる!!

信じられない人を無理やり信じるのはなかなか難しいですが、相手をまだよく知らない時点や、大切な人ぐらいは信じていたいものです。

受け止めてくれると信じる

「できねーならできねーって言え
 分かんねーことは分かんねーって言えよ
 誰も怒りゃしねぇんだから」

「あの鳳月さん…もんじゃだけじゃなくて部活のことも…そうだよ?
 鳳月さんはレベル違いで上手いし経験もあるけど
 だけど完璧でいる必要はないって言うか…
 僕とかじゃ頼りにならないと思うけど でも…
 どうすればいいか分かんない時とか
 一人で解決出来ないことは みんなで一緒に考えよう」

怒られたり、馬鹿にされたり、なんらかの理由で「できない」の一言が言いづらくなることってあると思うんです。 

でも「できない」って言っても大丈夫と相手を信じてみる一歩はとても大事なものだと感じます。

もしかしたら過去にそれが許されないことがあったかもしれません。

それでもなんだかんだで「しょうがねぇなぁ」って助けてくれる人は意外と多いものですし、付き合う人や場所を変えてみたら大丈夫だったということもあります。

 

「できない」以外にも、少し人には話しにくいことっていうのは多々あると思います。

私自身、自分がマジョリティではない自覚があるので、ブログを書くときはよくドキドキしています。

でも勇気出して更新した記事にいっぱいスターをいただいたり、200人を超える読者様に見ていただけたりしているうちに、受け止めてもらえるものだなぁと思えるようになりました。(いつも本当にありがとうございます!)

最近は、みんなが自分は少数派だと思っているから表に出てないだけで、実はそれが隠れ多数派なものもあるのでは?とすら思います。

話してくれてありがとう…っ

自分が言い出すまで待ってくれる人、打ち明けたものを受け止めてくれる人たちのことは大切にしていきたいものですね。

いきなり誰をも信じるなんてのは難しいので、まずはそういった大切な人を信じることから始めると、少しずつ足場が強固になっていく気がします。 

――あんたあたしが何か話したらちゃんと聞いてくれるんでしょ
あたしだってちゃんと聞くわよ!!

自分が相手の力になりたいと思っている時、相手もまた同じように思っていてくれるものだと思います。

頼るのが苦手でも、少しずつ相手を信じて出してみるのもいいかもしれません。

――な…んで
久遠はこう
いつもいつも
いつかちゃんと返せるだろうか
もらった分だけのあったかい気持ちを
いつか

――ありがとう あの時受け入れてくれて

あたし今ここにいれてすごく幸せだよ

相手を信じるからこそ相手に合わせない

俺は今から完全にお前を信じる
お前の音は聴くけど待たない

「仲間を信じろ」
「分かった」

そういうことか…!
今までは久遠君の音を聴いてそれから自分の音を出す感じだった
久遠君も多分そう
だからテンポが速くなると手が間に合わなくてかみ合わなくなる

メガネの音を聴いてから動くんじゃだめだ
そこに必ず音が来ると信じて弾く!!!


何だこれ すごいっ 欲しい所に音がある!!!

これってカラオケで精密採点したときに覚えがあるんですよね。

バーを気にしすぎると、バーに合わせて歌ってしまって遅れちゃうんです。

自分は音やリズムをわかっていると信じて、バーを気にしないで歌わないと合わないんですよね。

音楽界では指揮のない箏だからこその独特な感覚かもしれませんが、それが対人になったとしても、やることは変わらないということですね。

 

歌や合奏だけに限らず、結構当てはまることって多い気がします。

 

たとえば、誰かに何かを任せられない場面ってよく見かけます。

何かを教えているときや仕事を振ったとき、相手が手間取ってるのを見ると、手や口を出してしまうとかよくありますよね。

 

自分でやった方が早く、精度高くできるからもどかしいというのはわかります。

しかしそれでは、相手に自分でやってできるようになりたい気持ちがあっても、機会が奪われてしまいます。

 

私は母に何でもやられてしまうのがすごく嫌でした。

自分にやらせてもらえないのが不満だったし、そのうち、自分はやらなくていいんだという気持ちにもなります。

それで相手ができない、やってくれないというのはお門違いな気がします。

 

仕事を振ったら、あとは相手を信じるだけでいいと思うんです。

最初は拙かったとしても、人というのは失敗から学んで勝手に成長していきますし、いずれはよい相棒として活躍してくれたりします。

 

それぞれがそれぞれの道を着実に歩んでいれば、合わせようとしなくてもいずれは合うものであり、持たなくてもいい相手の荷物を背負う必要はないと思います。

――そうだよ
自分で下した決断 僕が最後まで信じないでどうするんだ
――大丈夫絶対そこに音がくる!!!

俺はもう一人じゃない
俺のこと信じてくれた音がちゃんとそこにある
足りない音は誰かが埋めてくれる

自分を信じることが相手を信じることとなり、相手を信じることがまた自分を信じることにつながるのだと思います。

作者のキャラを信じる心が伝わってきます

一人一人大事に丁寧に描いていければいいなぁ

ネームに詰まったり悩んだりする度、
連載当初、先輩作家さまに頂いた
「キャラを信じろ」という言葉を
思い出しています。

アミューさんは巻末コメントにこのような言葉を残しています。

この音とまれ!」は本当にひとりひとりが丁寧に描かれている素晴らしい漫画だと思いますし、私が今回のように「信じる」について考えさせられた背景には、アミューさんのキャラたちを「信じる心」が詰まっていたのだなぁと感じました。

キャラたちは当初の予定とは違う動きをすることがあるようなのですが、「この子はこんなことしないなぁ」とか「この子だったらこうするだろう」と作者が信じて描き上げているからこそ、私もこの「信じる力」に惹かれたのだと思います。

動画も合わせるとより楽しめます 

www.youtube.com

筝曲部存続のために披露した「龍星群」という曲は、作者のお姉さんがつくったオリジナル曲。

お姉さん自身や和楽器バンドのいぶくろ聖志さんらが再現したPVが公開されていて、読むのに合わせて聴くとより情景が広がります。 

www.youtube.com

アニメ版も公開されているので、違いを聴き比べるのもまた面白いです。

www.youtube.com

基本アニメが苦手なので漫画派なのですが、それでも「天泣」はやはりグッときます。 

大会本番の様子が描かれた13巻は涙なしでは読めません。

漫画の再現演奏が詰まったこのCDもとても素晴らしいです。

3倍速からさらに加速していく「さらし風手事」とか、漫画を思い出してニヤニヤしてしまいます。

www.youtube.com

箏動画といえば、こちらのエド・シーラン「Shape of You」のカバーがとてもカッコよいです。 

アヴィー・チー「Wake Me Up」のカバーもまた素敵ですね。

最新刊情報

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思っている以上にプラスチックによるダメージが大きかった件。【マイクロプラスチックや有害性の話】

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身近なものほど見落としがち。しえるです。

 

転職でめくるめく変わっていく環境についていくだけで精一杯だった私にとって正直なところ、SDGsや環境問題なんて仕事のために覚えるくらいで、これまで気にする余裕はまったくありませんでした。

 

そもそもの話、私はただのナチュラルデザイン好きで、しいて言うならポイ捨てはせず、ごみはごみ箱にちゃんと入れるくらいという、環境問題についてだいぶ気にしていないほうだったと思いますが、自分の快適や健康を追求しているうちに、避けては通れない話だと感じるように変わっていきました。

しいたけ占いで「ここ最近は健康大事と意識している」とズバリ言い当てられましたw)

 

そんな私がプラスチックについて認識していることといえば、次のことくらいでした。

・石油からできている

・「ポリエチレン」「ポリプロピレン」「塩ビ」「アクリル樹脂」など種類がある

・海に残留したプラごみで生物が苦しんでいる

 

しかし、本を読んでいるうちに、身近に利用してきたプラスチックには知らない世界が想像以上にたくさんあったことを知りました。 

 

そしてこれを書いているさなか、6月4日に「プラスチック資源循環促進法」が成立しました。

www3.nhk.or.jp

今回は、現時点でのプラスチックの問題点など学んだことをまとめてみました。

思っている以上にプラスチックによるダメージが大きかった件。【マイクロプラスチックや有害性の話】

プラスチックについて考えるようになったきっかけ

コロナ禍でおうち環境を整えることに力を入れていた一環で、ごみ箱をどうするか検討していたとき、ごみ箱のあり方は家の中での動線に加えて、ごみの収集業者や処分先にとってどうするのが作業しやすいんだろう?という発想になりました。

そう考えてみると「そういえば私は捨てたごみがどうなるのかよく知らないな?」と思って1冊の本を読んでみました。

なんとなくの流れはイメージどおりでしたが、汚れた資源ごみの対応や細かい仕分けを手作業で行っていることなど色々驚きがありました。

そして「あれ?プラスチックって思ってたよりリサイクルされていなくない?」となりました。

 

そこで次はプラスチックについて知ろうと別の本を読むことに。

この本がとにかく知らなかったことだらけで、プラスチックの基礎や歴史を学ぶうえでたいへん勉強になりました。

第二次世界大戦は、プラスチックを制した連合軍が勝った」というのは、初めての視点でした。

プラスチックには2種類ある

プラスチックには「熱可塑性(ねつかそせい)プラスチック」と「熱硬化性プラスチック」という2種類があるのだそうです。

熱可塑性プラスチック

熱可塑性プラスチックは、チョコのように溶かして成形し直すことができます。

ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどが該当します。

熱硬化性プラスチック

一方、熱硬化性プラスチックは、クッキーのように一度焼き上げたら終わりで、成形し直すことができません。

クッキーになったらもう、小麦粉や卵には戻らないですからね。

 

つまり、こちらのプラスチックはリサイクルができないということになります。

種類としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが当てはまります。

各地にあふれるマイクロプラスチックの存在 

プラスチックは海の至る所にある。

汚染が集中している場所などどこにもないのだ。

「巨大な太平洋ごみ海域」(太平洋ごみベルト)という言葉が知られるようになり、「これを取り除けばよい」というごみの島があるようなイメージがあるが、そのような島は存在などしていない。

プラスチックはごみは猛烈な風や海流で水中に沈み、細かくなる。

プラスチック片はどんどん砕けて小さくなるが、分子は変わらぬままだ。

マイクロプラスチックとは一般的に、直径5mm未満に粉砕されたプラスチックの破片(粒子)のことを指します。

 

私は結構最近まで、このマイクロプラスチックのことを知りませんでした。

海が身近になく、ふだんあまり魚介を食べない私にとっては、海の生きものたちがプラごみに苦しんでいるってニュースを聞いたことはあっても、レジ袋をそのまま飲み込んでしまったとか、漁網に引っかかってしまったとかそういうイメージだったのです。

gyoppy.yahoo.co.jp

細かい破片に砕けて、人間がつくり出す技術ではまだ集めることのできない、悪名高い「マイクロプラスチック」になるだけなのだ。

ポイ捨てしなければいいとかそういうレベルの話ではなかったことを知り、とても驚きました。 

知らない間にそんなに摂取してるの?

平均すると人は週に約5gのプラスチックを摂取している。

お店で買ってきたペットボトルの水やプラスチック容器に入ったレタス、ラップされたきゅうり、そしてレストランで食べる魚などと一緒に、あなたが”食べている”マイクロプラスチックをすべて足すとこれだけになる。

プラスチックは、私たちの命がかかっている食物連鎖そのものに入り込んでいる。

私たちは年に10万個以上のマイクロプラスチックを摂取している。

マイクロプラスチックは、私たちが食べる魚の中にもある。

胃や肝臓に有毒なプラスチックを有している魚は、既に25%を超えている。人類の半分が日々の食生活を海産物に頼っていることを考えれば、健康を脅かす最悪な事態がいつ起きてもおかしくない。私たち人間の肝臓にも思いもよらなかったペースでプラスチックが蓄積しつつある。

そして知らず知らずのうちに、大量のマイクロプラスチックを食べているのだそうです。

100年単位で残るプラスチックを自分の体内に取り込んでいるって、なかなかゾッとします。 

 

動物には排泄機能があるけど、体内にどれだけ残留し、影響を与えるかはまだ解明されていません。

natgeo.nikkeibp.co.jp

身近な日用品から発生しているマイクロプラスチック 

メラミンスポンジを使うとシャリシャリ削れていくと思いますが、これもまさにマイクロプラスチックなのだそうです。

あ、あのとき発生していた削りかすがマイクロプラスチックか…と思ったら怖くなりました。

 

「塵も積もれば山となる」とは言いますが、さらさら粒子のアレが大量に100年単位で海に漂い続けるって、想像以上に深刻です。

最近の調査から、北極でさえ、雪に混じって空からマイクロプラスチックが降っていることが分かった。

研究の示すところによると、大気中の微粒子の3~7%が、路上を走行している何百万台もの車のタイヤから生じた塵だという。

実は車の問題は排気ガスやガソリンだけじゃなかったという…電気自動車や自転車にまで及ぶ不可避案件です。

 

ほかにも合成繊維でできた服の洗濯、歯磨きや洗顔フォームからもプラスチック繊維やマイクロビーズが流出していくのだそうです。

紙だからといって無関係ではありません

カナダの研究者は最近、プラスチック素材のバッグに入ったティーバッグ1つをお湯に浸すと、約116億個のマイクロプラスチックと31億個の「ナノプラスチック」がカップ内に放出されると発表した。

粒子が小さければ小さいほど、簡単に体内の臓器に入り込める。

紙製のティーバッグは破れやすいため、業界は数年前にプラスチック素材の層をティーバッグに重ねることになった。

つまり、業界はティーバッグには気を配るが、消費者のことは気にしていないということだ。

ふだん利用しているティーバッグ、大量の微粒プラスチックが放出しているのだそうです。

さらにはナイロンなどだけでなく紙製のものからも出ているという話ですから驚きでした。

 

たしかに、紙コップやミルクカートン、耐油紙といった水や油に強い紙というものは、フィルム材のコーティングなどがされているわけですから、そりゃそうかと納得しました。

gigazine.net

欧州連合EU)は、2021年までに使い捨てプラスチック製品の禁止を施行する。

興味深いことに、EUはプラスチックコーティングした紙は例外とした。

カナダも最近、同じような禁止令を実施する意思を表明しており、おそらく同様の例外扱いを認めるだろう。

これは製紙業界のロビー活動の成功であり、環境にとっての成功ではない。

プラ禁止を進めている地域でも、コーティングに使われているプラは例外扱いされている現状があるそうです。

エコとうたわれているものがエコじゃない件

www.nishinippon.co.jp

洗剤を使わずに済むから環境にやさしいと売り出されているアクリルたわしも、実はマイクロプラスチックを生み出しています。

天然素材でつくられたセルローススポンジに、環境配慮された洗剤を使う方が実はダメージが少ないのだそうです。 

 

プラスチックの有害性について

次に読んだ本では、プラスチックの有害性などを知っていきました。

旦那さんの体調不良を機に、プラスチック製品に含まれる内分泌攪乱物質(環境ホルモン)などの存在を知り、生まれる赤ちゃんのために身のまわりの持ち物を見直していった経験がまとめられています。

内分泌かく乱物質ってなんですか?(公益財団法人 日本学校保健会)

ideasforgood.jp

個人的によりわかりやすくて、まとめやすかった以下の本を中心にこの記事を書いていますが、各材質ごとの特徴や危険性は「プラスチック・フリー生活」の方がわかりやすく表でまとめられています。

元祖プラスチック「ベークライト」の原材料

1907年、ベルギー生まれの米国人の化学者レオ・ベークランドが「ベークライト」を開発した。

合成素材でできた最初のプラスチックだ。

ベークライトには、ホルムアルデヒドアスベスト、極めて有毒なポリマーが含まれている。

今日ではベークライトは「サイレントキラー」(無言の殺人者)と考えられ、取り除く必要がある。

そして、禁止後何十年も経った今でも、特別な処理施設に持ち込まれている。

実際のところ、現代のプラスチックに伴う危険性はほとんど分かっていない。

プラスチック業界には、戦略的優位性をもたらす添加剤の使用に関する機密事項が山のようにある。

100年以上前にレオ・ベークランドが行った貢献と同様、イノベーションがもたらす長期的な影響についてのどんな懸念よりも、今日の使い勝手の方が大事なのだ。

ベークライトは別名フェノール樹脂と呼ばれ、フェノールとホルムアルデヒドを原料につくられた世界初の人工プラスチックです。

添加剤にアスベストが使われているものもあり、それが鍋の取っ手などに使われていたそうです。

 

現代ではホルムアルデヒドは有害物質として制限が定められており、アスベストに至っては原則禁止されていて、フェノールからも脱却の動きが強まっています。 

ベークライト

家電製品も早くからアスベスト汚染 - 藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

5 ホルムアルデヒドとはどんな物質ですか 東京都福祉保健局

アスベスト(石綿)に関するQ&A |厚生労働省

プラスチックの添加剤について考えたことありませんでした

プラスチックには、柔らかくするための可塑剤や寿命を延ばすための紫外線吸収剤など、ほかの化学添加剤も含まれている。プラスチック業界は、フッ素や塩素や臭素といったハロゲン、リン酸エステル、アンモニウムやホウ素や硫黄の化合物、それから重金属の水銀やスズ、鉛、さらにはヒ素さえ使用している。
含有量はたいてい1%未満であり、情報開示の必要がない。

しかしこのことが根本的に意味しているのは、「私たちは、健康リスクに関して何の知識も理解もないままに、化学物質の”カクテル”を消費している」ということだ。

プラスチック製造の際、さまざまな添加剤が使用されているそうです。

化粧品なら全成分表示が定められているため、防腐剤や紫外線吸収剤など何が使われているかを確認することができますし、実際私は宇津木さんの本を読んで以来、成分表示を見て買う商品を決めています。

しかし、プラスチック製品の品質表示には原料樹脂が書かれているだけで、その過程で何が使われているかを知るよしがほとんどありません。

プラスチックの多くには、使い勝手を良くするために毒性が強い添加剤が使われている。

例えば、プラスチックのおもちゃには、子供たちの安全性を考えて難燃剤が含まれている場合がある。

柔らかくするために可塑剤としてフタル酸エステルが入っているプラスチックもある。

プラスチックの寿命を延ばすための紫外線吸収剤もある。

ビスフェノールAは、長い法廷闘争の後に禁止されたが、いまだに海を漂う古いプラスチックの中に存在している。

こうした添加剤の多くは企業秘密として認められ、情報を開示する必要がない。

つまり、どのような健康リスクがあるのか、何の知識も理解もなしに、私たちは化学物質の”カクテル”を消費しているのだ。

BPAフリーってたまに見かけるけど…

BPAビスフェノールA)」というのは、ポリカーボネートやエポキシ樹脂の原料、缶詰の内側やレシートなど感熱紙のコーティングなどに使われているものです。

生殖機能障害や二型糖尿病、甲状腺疾患など人体に影響をおよぼす危険性があるとされています。

news.yahoo.co.jp

フランスでは、内分泌かく乱物質として食品に関わるものは厳しく禁止されていますが、アメリカでは警告の明記、日本では制限といった程度にとどまっているようです。

ビスフェノールA|国税庁

 

危険性については以前から取り上げられているため、「BPAフリー」 と売り出している商品が多く存在していますが、実は「BPA」の代替物として、同じく環境ホルモンであると考えられている「BSP(ビスフェノールS)」が使われていている可能性もあるのだそうです。

BPAフリー」だからといって安心というわけではなさそうですね。

blog.goo.ne.jp

ちなみに日本人の「BPS」摂取量は世界中でもトップクラスなのだそうです。

www.sustainablebrands.jp

アメリカでは「BPA」「BPS」を使わない「フェノールフリー」のレシートへ転換の動きが促進され、日本でもリコーが「フェノールフリー」の感熱紙を発売することが決まっています。

安全性を高めた感熱紙を2021年春に国内で発売 | リコーグループ 企業・IR | リコー

個人的には電子レシートが一般的になってほしいですけどね…。

全国の経理個人事業主が楽になると思うのですが…。

親和していない添加剤、漏れ出す有害化学物質、呼び寄せる石油

問題は、このような添加剤のほとんどが不活性であることだ。

プラスチックと科学的な結びつきはないということである。

プラスチックはガスを放出して分解する。

その時に、こうした化学物質は容易に環境(私たちが吸い込む空気、床のほこり、私たちが飲む水)の中に移動し、そこで蓄積する。

有毒化学物質は、環境中のあらゆる場所で見つかっているあのマイクロプラスチックにも含まれている。
有毒な難燃剤は、人間の母乳や魚から見つかることもある。こうした化学物質は劣化するようにつくられていないため、その量が激増していることが研究から分かっている。いくつかの報告書によると、有毒物質の濃度は2~5年ごとに倍増しているという。

プラスチックは簡単にいえば、炭素や水素といった分子が手を繋ぎ合って存在しています。

けど添加剤はきちんと手を握れていないから、すぐどっか行っちゃうよってことですね。

そしてムダに頑丈なので、よそ行ってばらまいちゃうよ!って話のようです。  

 

さらにプラスチックは、石油に汚染物質が吸着していくため、海水中の有害な化学物質も集めて濃縮していくのだそうです。

それを食べた魚を人間が食べているということはつまり…。

危ないものは避けたいですよねという話 

プラスチック業界は、難燃剤の使用を規制しようとするあらゆる試みに抵抗し、政治家に解決不可能な二者択一を突き付ける。

「火事で死ぬのとがんで死ぬのと、どっちがいいのか?」と。

意識と責任をもって設計と生産を始めれば、こんなジレンマは存在しない。

時に長期的な手に負えない問題は後回しにされがちです。 

プラスチックにはたくさんの有毒成分が含まれていることが分かっている。

まだ分かっていないのは、そうした有害物質を摂取することが私たちの健康にどのような影響を及ぼすか、である。

現在の科学では、まだ極小の粒子を調べることができないからだ。

現時点で分かっている有毒性もありますが、まだまだ解明されていないこともあります。

元祖プラスチックのベークライトも、後から有害性についてわかっていったように、現在使っているプラスチックも未知数です。

 

ただ「明らかに問題は起きているし、わかっているだけでも危険性のリスクが高く、不透明な部分の多いものは深入りせず、避けた方がいいですよね」というのが「プラスチック・フリー生活」「海と地域を蘇らせる プラスチック「革命」」ともに共通した考え方でした。

実はほとんどリサイクルできてない問題

日本では1995年に制定、2008年に一部改正された「容器包装リサイクル法」というものがあります。

 

しかし実態は容器包装の定義はまちまちでわかりにくく、プラ容器の多くは燃やされているというものでした。

 

ただでさえ容器包装プラスチックしか対象となっておらず、製品プラスチックには規制がないうえに、リサイクルされていると思っていた容器包装も実は多くが燃やされているだけってなかなか衝撃でした。 

日本のプラスチックごみのリサイクルの内訳 

日本のプラスチックごみのリサイクルの内訳は、本によると以下のとおりなのだそうです。

  • マテリアルリサイクル 23.4%物理的再資源化
  • ケミカルリサイクル  4.4%化学処理再資源化
  • サーマルリサイクル  58%焼却エネルギー利用

「熱回収」とも訳される「サーマルリサイクル」は、プラスチックごみを燃やして、そのときに発生したエネルギーを温水プールや火力発電などに利用するというもの。

技術で抑えられるようにはなっているようですが、燃やすのでCO2やダイオキシンの発生は生じます。

 

つまり再資源化しているのは「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」の27.8%に過ぎないということですね。

forbesjapan.com

ちなみに「マテリアルリサイクル」が一般的なイメージのリサイクルですが、この方法だとどうしても「ダウンサイクル」といって品質は劣化してしまうので、永続的ではないのだそうです。

そして「ケミカルリサイクル」というのは1度分子に分解してから再生成するので、何度でも再生できるものですが、大きなコストがかかるのでまだまだ実用的ではないことを4.4%という数字が物語っています。

生分解性やバイオマスプラスチックだからいいという話ではない 

環境によいエコ製品使っていれば、扱いは気にしなくても大丈夫って話はありません。

ちゃんと分解するためには、各素材ごとに条件があるし、それなりに時間も必要とします。

earth-defense.online

生分解性プラスチック

多くの商品が、その包材が「生分解性」だと誇らしげに謳っている。

その意味するところは、その素材は土中で微生物の作用で分解されるということだ。

しかし、その同じ素材が水中に入ってしまったら、何百年もの間分解されない。

「生分解性」の意味するところは、「土壌中のバクテリアの力で、または、工業的な堆肥化設備の中で、分子が分解されるように設計されている」ということでしかない。

100%生分解性の製品であったとしても、多くはあくまで土中の微生物が分解するだけの話で、環境が変われば分解はされません。

バイオマスプラスチック

バイオマスは、再生可能な生物由来のものを指します。

植物が原料だから、地上の二酸化炭素の増減に影響を持たない「カーボンニュートラル」性質でよいとされていますが、いまいちピンと来ませんでした…。

 

もちろん石油由来じゃないということに意味はあると思うんですけど、そもそも石油由来のプラスチックや添加剤と混合も多く、生分解性を持たないものもあります。

何%配合という時点で、行く末は石油由来のプラスチックとなんら変わりないと感じます。

バイオプラスチック

生分解性プラスチックバイオマスプラスチックの総称をバイオプラスチックと呼びます。

 

たとえばトウモロコシなどを原料につくられるポリ乳酸からできたバイオプラスチックは、最終的には二酸化炭素と水になるそうです。

しかし生分解されるということは長持ちしないということも意味します。

また環境によって生息する微生物が異なるため、分解速度も変わってきますし、ポリ乳酸は高温多湿で分解されますが、土や水の中では分解されにくい性質を持ちます。

natgeo.nikkeibp.co.jp

酸化型生分解性プラスチック

「酸化型生分解性プラスチック」は太陽の光や熱で分解されるというものですが、添加剤で細分化しているにすぎず、生分解性ではないのでマイクロプラスチックとしての長期残留が懸念されています。

rief-jp.org

自治体によって異なるプラスチックごみの扱い

  • 世田谷区では「ペットボトル」のみでプラスチック類は可燃ごみ
  • 港区では「ペットボトル」「資源プラスチック」
  • さいたま市では「ペットボトル」「食品包装プラスチック」
  • 横浜市では「ペットボトル」「プラスチック製容器包装」
  • 千葉市で通常回収は「ペットボトル」のみ、「製品プラスチックの拠点回収(10品目のPP・PE製品)」
  • 名古屋市では「ペットボトル」「プラスチック製容器包装」
  • 大阪市では「ペットボトル」「容器包装プラスチック」
  • 福岡市では「ペットボトル」のみでプラスチック類は燃えるごみ

このように、大きな都市でも分別の仕方はばらけてきます。

容器包装以外のプラに取り組んでいる港区のようなところもあれば、そもそもプラごみを分別していないところもありますね。

 

ゼロ・ウェイスト(はじめからごみを出さないようにする取り組み)に力を入れている徳島・上勝町では13種類45分別しており、プラスチックだけでも「ペットボトル」「白トレイ」「プラスチック製容器包装」「プラスチック製のキャップ」「洗剤詰替パウチ」「歯ブラシ」「その他のプラスチック」と分別されているようです。

zwtk.jp

分別収集する自治体の負担が大きすぎている 

容器包装ごみを分別収集するために、不純物を取り除き、運びやすいように圧縮して一定量保管する必要があります。

それを全国自治体で年間約2,500億円かけて対応したのに対し、生み出す側の企業が負担した委託金はたった約380億円のみにすぎなかったそうです。

容器包装リサイクル法、ここが間違っている!

自治体、容器ごみ分別費2500億円 10年度推計 企業と格差: 日本経済新聞

 

どういうことかというと現在、容器包装を製造・利用・販売している企業は、リサイクル取りまとめる協会に委託金支払うという仕組みになっています。

消費者がごみを分別し、自治体が収集・選別してリサイクル業者に引き渡します。

リサイクル業者には協会からリサイクル費用支払われるのですが、企業は製品全体ではなくリサイクルされた量に対してしか支払い義務がありません。

中には関係しているのに負担金を支払ってすらいない企業も相当数存在するそうです。

 

つまり企業は生み出した製品全体の責任をそこまでリアルに背負っていないし、あぶれた分はリサイクルもされず、その処分費はただのごみとして自治体が負っている、というのが現状なのだそうです。

大手ブランドはそのようなことはもうやめたと主張するが、これまでに添加してきたマイクロプラスチックは今や海洋中に散らばっている。

汚染を取り除くには多額の費用がかかる。

この最悪の事態を引き起こした企業が、真っ先にクリーンアップの責任を負うべきである。

それが真の拡大生産者責任だ。

散らかすのをやめるだけでは、とても十分とはいえない。

先述の上勝町では、ライオンや花王なども関わっていますが、あくまで一部拠点の話でしかなさそうです。

www.lion.co.jp

花王 | ユニリーバ・ジャパン、花王が協働回収プログラム 「みんなでボトルリサイクルプロジェクト」を開始

プラスチック製品、ならびにプラ容器包装を使用した製品を生産・販売する企業は、リサイクルしやすい製品を企画・設計する。製品が廃棄されたあとは、回収して再生し、再び市場に送り出す。
消費者は、使い捨て生活を見直すと共に、プラごみはリサイクルしやすいよう、汚れを取り除いて分別する。

負担が大きく自治体に偏っていますが、どこかに無理が押しつけられたものはいずれ破綻してしまうというものです。

生産者ならびに消費者ともに意識を変えていく必要がありますね。

 

ふだん無料で回収してもらえるから忘れてしまいがちですが、ごみ処理は自治体のお仕事として、税金からまかなわれています。

粗大ごみを出すとき、「なんで捨てるのにお金を払わなきゃいけないんだよ」と思ってしまうこともありますが、そもそも処分するのにはお金や労力がかかるものだということを忘れてはいけないですね。

今の仕組みのままじゃリサイクルはほぼ無理ゲーじゃん

材質の違うプラスチックは、一緒にリサイクルできない。

簡単にいえば、空っぽの容器を一つ間違ったリサイクルボックスに入れるだけで、すべてのリサイクルの努力が水泡に帰すということだ。

現状で、リサイクルが本当にうまくいっているのは、高密度ポリエチレンHDPE)とポリプロピレン(PP)の2種類だけだ。

この2種類の再生プラにはバージン材にほぼ負けない力がある。

また、理論的にはリサイクルできるが経済的ではなく、プラスチックの材質を表す評判の悪い三角形の識別マークが付いているというのにリサイクルをされていないプラスチックもある。

 

多くのプラスチック製品は、異なる種類のプラスチックや金属、さらには紙まで含んだ様々な層でできていて、分離不可能な混ざりものになっている。

エンジニアは、大量生産しやすくするために複数のものをくっ付けるのは得意だが、くっ付けたものをもう一度バラバラに戻す方法は誰も知らないのだ。

そもそもプラスチックを再資源化するにしても、同一素材のものを多量に集める必要があるのだそうです。

プラスチックと容器包装のリサイクルデータ集

プラスチックといっても「ポリプロピレン」「ポリエチレン」「ポリエステル」などさまざまな種類の素材が存在しているわけで、そりゃそうですよね。

私は仕事で知りましたが、よっぽど興味をもっていなきゃ「ハイデン(HDPE)」「ローデン(LDPE)」とか知らなくてもおかしくないと思います。

 

これらをひとえにプラスチックごみとしてまとめて出している時点で無理があるってものだと感じました。

 

容器包装とか製品プラという考え方にこだわらず、純粋に材質で「ポリエチレンごみ」「ポリプロピレンごみ」と分けるんじゃダメなの?そしたら品質表示見て分別するだけですし、たった1つのルールとして「汚れていたら洗うこと」だけ設ければいいだけの話では…と思ってしまいますが…。

複合品捨てても純粋に単一品の回収率は今より上がりそうだし、その方がリサイクルもしやすそうですけどね。

まぁ実際にやるとしたらいろいろ障害はあるでしょうし、これは実情を理解していない人間の単なるぼやきにすぎませんのであしからず。

現在の外国の取り組み事情 

図解でわかる 14歳からのプラスチックと環境問題」で紹介されていた海外の事例の一部です。

レジ袋の禁止や課税・有料化

2002年、バングラデシュは世界で初めてポリ袋を禁止した国となった。

いつも決まったようにこの国を襲う壊滅的な洪水の最中に、ポリ袋が排水設備を詰まらせていると分かったことを受けてだ。

それ以降、中国やインド、ジョージア、コロンビアのほか、ルワンダジンバブエをはじめとする30ほどのアフリカ諸国など、世界で140カ国以上がプラスチックへの課税や部分的な禁止を施行している。

韓国は2019年、先進国として初めて、ほとんどのポリ袋を禁止する法律を施行した。

世界は既に60カ国以上でレジ袋に禁止を含めた規制が導入されている

アフリカやオーストラリアなどは、ごみ処理場の整備が不十分なことから、そもそものごみのもとをつくらないという判断のよう。

プレシャスプラスチック

ciclo.jp

プラごみを集めて手加工し、オシャレなカラフルタイルや小物などにアップサイクル(価値を高めるリサイクル)する取り組みです。

オランダ人が個人で始めたもので、方法はすべて無料公開しており、賛同した人たちが自由に参入できるようになっています。

www.jeef.or.jp

ドイツのデポジット制ペットボトル回収

lessplasticlife.com

ドイツではペットボトルを購入するときに、少額の預かり金を支払います。

これは回収機に空のボトルを返却すると、預かり金が戻ってくる仕組みになっており、みんなお金は戻ってきてほしいからポイ捨てしないというわけですね。

アルミのごみには価値がある。

そのリサイクルで生計を立てている人々がいるのだ。

それに対して、プラスチックごみには全く価値がない。

だから、プラスチックは環境や海洋、そして私たちの命と暮らしを汚染しているのだ。

プラスチック問題のソリューションは、プラスチックごみに価値を見いだすことから始めなければならない。

 まさに、ごみに価値を創出した好例ですね。

廃プラで高速道路建設

newsphere.jp

インドやイギリスなどでは、プラごみや廃タイヤなどを使って道路をつくっているのだそうです。

食べられるプラスチック!?

toyokeizai.net

インドネシアのEvowareがつくった代替製品は海藻でつくられていて、食べたり温水で溶かしたりすることができるのだそうです。

どんなものなのか実際に見てみたいですね。

プラゼロは難しいけど割合を減らすことはできる

「病院が、使い捨てのプラスチック製品を使わずに、問題なく衛生管理をする」というのは想像しづらい。

プラスチック抜きに、軽量化で燃費を改善した自動車や航空機を考えられるだろうか。

プラスチックには、優れた性能があるのだ。

問題は、たいていプラスチック製品を極めて短い間だけ使った後に捨ててしまい、広い範囲にわたって汚染を引き起こしているという点だ。

 

毎日の暮らしの中でせいぜい1時間もあれば飲み終わって不要になるというのに、分解するまでに何百年もかかるような水のペットボトルを使うことを、一体どうして許せたのだろうか。

世界全体で、毎秒2万本のペットボトルが新たに生産されている。

私たちが20分ぐらいしか使わない包装材が分解されるまでには、400年かかるというのだ。

元々、木という素材が好きだったり、節約のためにマイボトルやエコバッグを使う人ではありましたが、プラスチック製品がここまでリスクの高いものだと知ったことで、この先の考えを改めなくてはいけないなと思いました。

 

正直プラスチックは便利なものが多く、ゼロにすることはほぼ不可能なくらい身のまわりにいっぱいあります。

しかし、引き換えの代償があまりにも大きすぎると感じ、そのとき買おうとしていたものや定番の購入品は一旦保留して、全部イチから検討し直したりしました。

とりあえず自分の健康のため、少しずつ割合を変えていきたいという考えです。

 

今回の記事はあくまで入門編的なものとして、知ったうえでどう生活に反映させていくかや、ほかに学んだことについては今後別に書いていければと考えています。

参考文献

ごみ処分の基礎を知るのにピッタリです。

プラスチックの基礎を学ぶのにとても適した本です。

どうやってつくられているのか、仕組みや歴史を一気に知ることができます。

各プラスチックの材質ごとにまとめられた特徴がわかりやすく、日々の生活でプラスチックを使わずに済ませる方法がまとめられています。

あくまでゼロにすることは難しいという現実のもと、少しずつできることをしていこうという考え方がベースとなっています。

起業家視点で「ビジネスができること」や「現在の取り組み」について書かれています。

個人的に1番考え方が似ていて、すでに現在進行形で現実的に取り組んでいる方がおられることが嬉しかったし、とてもタメになる本でした。


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