『民藝 MINGEI — 美は暮らしのなかにある』
@世田谷美術館 1階・2階展示室(東京都世田谷区)
期間:2024.4.24〜2024.6.30
開場時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日
あまりよく知らなかった「民藝」とは何かを学べました
初めての世田谷美術館へ
長傘は持ち込めないので傘置き場へ。
コインロッカーは100円返却式で、私が利用した1階のものは特別大きいサイズではありませんでした。
いろんな行き方ができるのですが、バスの時間との兼ね合いなどまぁまぁ悩まされましたw詳しい話は別記事に書いたのでそちらをご覧ください。
民藝とは何かを知れました
私は「民藝(みんげい)」という言葉について今回初めてちゃんと触れたのですが、「民藝」というのは、約100年前に柳宗悦(やなぎむねよし)さんによって、日常生活のなかで用いられてきた手仕事による品々に、繰り返し使われるものの美しさを見いだした「民衆的工藝」という考えから生まれた造語なのだそうです。
産業革命で工業化が進み、粗悪で画一的な大量生産品に溢れていた19世紀のイギリスでは、伝統的職人の手仕事の復興や産業デザインの改良によって生活の質の向上を目指そうとする「アーツ・アンド・クラフツ運動」が興ったそうです。
私は最初、英国大使館別荘記念公園で学んだ「アーツ・アンド・クラフツ運動」を思い出しましたが、手仕事による大量生産品に美を取り入れるのではなく、そこに美を見いだすということなのでまた別物のようですね。
元々は、精巧につくられた高価な工芸品を「上手物(じょうてもの)」というのに対し、売り子がごく当たり前な安物を「下手物(げてもの)」と呼んでいたことから、「下手ものの美」として寄稿していたのですが、今私が「ゲテモノ=風変わりなもの」と認識してしまっているように、違う意味合いで言葉が広まってしまったために「民藝」という言葉がつくられ、「下手ものの美」も「雑器(ざっき)の美」と改められたそうです。
展示は基本撮影NGなのですが、何か所か撮影OKのコーナーがありました。
ただし、展示品にズームするような撮り方だったり、場所によっては撮影OKコーナーであってもキャプションはNGなどあったりしたので、注意が必要です。
散蓮華かわいかったなぁ~。
私より知識がある人と一緒に行ったことで、暗号のような器などの名前が「つくり方や塗料・絵柄・物の種類」か「絵柄・物の種類」の順でつけられていることが多いことを認識できて、名前の意味が入ってくるようになったので理解が進んで面白かったです。
以前は漢字だらけでどこで区切るのかがわからなかったけど、この順を意識して見ていたら、呉須(ごす)は青い顔料だとか、剣酢漿草(けんかたばみ)という紋とか、知識がないとわからなかったものが少し、何の話かあたりをつけられるようになってきました。
器に限らず国内外の染織や調度品からお土産の工芸品まで、様々な民藝品が並び、テーブルコーディネートなど生活に溶け込む民藝品の姿も展示されていました。
手前のイスとかたまに見ることがあってかわいいな~と思っていたけど、これも民藝なんですね。
近年は昔ながらの伝統技術が見直されることが増えていますが、最後のコーナーでは現在の職人さんやそれをつなぐバイヤーさんたちの姿が紹介されていました。
この展示されている品々は、元BEAMSバイヤーのテリー・エリスさんと北村恵子さんの私物なのだそうです。
前にねむの木というカフェで見て、かわいらしいカレンダーだなと印象に残っていたものが紹介されていて、八尾和紙のものだったのだと繋がったり、冒頭で民藝運動の中心作家として紹介されていた芹沢銈介さんに型染めの技術を習ったのだと知ったりして、自分の中の点と点が繋がって面白かったです。
展示で見ていて「これの触り心地はどんな感じなんだろう?」と気になっていたものは、最後の物販で売られていたので、実際に手に取って感じられるのがよかったです。
個人的に手仕事のものは好きだけど、手仕事だろうが機械だろうが、高かろうが安かろうがなんであっても「いいものはいい」「私が好きになったものが好き」という精神でこだわりはなかったので、こういう考え方や歴史があるのだと知れるのは面白かったです。
レストラン ル・ジャルダン
1階展示室を見終わったところで13時となり、おなかがペコペコなところにレストランが見えたので並んでみることに。
11~14時がランチ、14時半からは軽食のようで、私たちが並んだところでランチが締め切られ、30分待ちぐらいで入店することができました。
待っている間はイスに座ってくつろぎながらおしゃべりしていたので苦にならなかったです。
17時以降のディナーは完全予約制で、一休.comか電話で予約する必要があるようです。
ル・ジャルダンはフレンチレストランで、ランチはお肉かお魚で、ドリンク・デザートつきかどうかが選べました。
手前のはサーモンのテリーヌ、黄色いのはコーンのムースだったかな?
テリーヌとか貝はふだん苦手なのだけど、テリーヌは調和が取れていておいしかったし、エビや貝は臭くなく、ソースと合っていました。
カブもさっぱりシャキシャキでおいしかったし、コースの前菜系に苦手なものが多い私が珍しく、全部おいしく食べられて嬉しかったですね。
パンも思いのほかふわふわでおいしかったです。
野菜スープ。
肉の煮込みはトマト系でやわらかく。すっかりおなかいっぱいです。
ヒラメのポワレは皮パリの身ふっくらでおいしかったです。
美術館の併設だし…とそこまで期待してなかったのですが、どれもおいしくて満足でした。
セタビカフェ
地下1階にはカフェがあります。
クレカは使えなかったけど、PayPayやせたがやPayは使えましたね。
セタビ カフェセタビ カフェ | Welcome セタビカフェ
席は室内だけでなく外のパティオのほうにテラス席もあります。
左からアイスカフェラテ、アイスコーヒー、ガトーショコラです。
コーヒーは昔ながらの喫茶の苦め系、ガトーショコラはしっとり系かと思いきや、思ってたよりほろほろ系でした。
外にも返却口が用意されていました。