音を楽しむ。しえるです。
今年のグラミー賞授賞式が素晴らしかったので、いまだ余韻に浸っています。
中でも特に心に残ったパフォーマンスをまとめてみましたので、どうぞお楽しみください。
(記事長かったので後で分けました。)
【第63回グラミー賞】授賞式の名パフォーマンス×コロナ禍で輝いたアーティストにときめきました。
授賞式の名パフォーマンス
先日紹介したカーディBとメーガンザスタリオンのパフォーマンス以外にも素晴らしいステージがたくさんありました。
グラミー賞のYouTubeアカウントでは冒頭シーンしか公開されておらず、フルバージョンは各アーティストのアカウントで見られるようになってるのも素敵です。
収益や実績がきちんとアーティスト側に還元されていますからね。
(M-1グランプリなども見習ってほしいものです。)
ポスト・マローンの迫力あるステージ
Post Malone - Hollywood's Bleeding (Live From The 63rd GRAMMYs ® / 2021)
ポスト・マローンは「僕の家族は音楽の才能がイマイチで、僕自身も音程補正ソフトに助けられているだけだよ」なんて話していましたが、迫力ある魂のこもった熱い歌声に胸を打たれました。
「ステージに立つのははいつも怖い、でも観客が盛り上がってるとテンションが上がるよ」というのは、ライブで輝く人らしい言葉ですね。
Post Malone - Only Wanna Be With You (Pokémon 25 Version)
これは余談ですが、「ポケモンに育てられた」というポスト・マローンが、ポケモン25周年記念に公開したカバー曲も素敵です。
ゲームで使われた曲がサンプリングされていて、きゅんきゅんしちゃいます。
現実を基にしたパフォーマンスを見せたリル・ベイビー
Lil Baby - “The Bigger Picture” (Live From The 63rd GRAMMYs ® / 2021)
こちらも日本ではなかなかお目にかかれない、アメリカらしいパフォーマンス。
残念なことに、出てくる場面はどれも現実のノンフィクションです。
バイデン大統領、私たちは正義、平等、政策、そして自由を要求します。
実現のために必要なのは味方ではなく共謀者。
これは「黒か白か」より大きな話で、トレンドなんかじゃない。
自由を得るまで。
上記は曲中に出てくるタミカ・マロリーによるスピーチの一部です。
ファッションや偽善、1つ1つの問題解決ではなく、すべての「権利の侵害」の根本的解決を訴えています。
カントリー歌手 ミッキー・ガイトンの歌声に心を奪われました
Mickey Guyton - Black Like Me (Our Voices) (Live From The 63rd GRAMMYs ®)
カントリーシンガーによるパフォーマンス3連チャンのトップバッターを務めたミッキー・ガイトンも素晴らしかったです。
個人的にカントリーではイングリッド・アンドレスやマレン・モリスに注目していたのですが、思わず意識を奪われてしまいました。
君は1人じゃない、いつまでも共に…ブリタニー・ハワードによる追悼
Brittany Howard - You’ll Never Walk Alone (Feat. Chris Martin) (Grammys Performance)
グラミー賞では毎年、亡くなった方たちを追悼するコーナーがあります。
今年はライネオル・リッチーやブルーノ・マーズなど名だたる面々のメドレー形式になっていてビックリしました。
その中で歌われた1曲が、サッカーファンにはおなじみの「ユルネバ」こと『You’ll Never Walk Alone』。
アラバマ・シェイクスのリードボーカルであり、ロック楽曲賞を受賞したブリタニー・ハワードの歌声がとても胸に沁みました。
コロナ禍で輝いたアーティストたち
昇華したストーリーテラー:テイラー・スウィフト
Taylor Swift - cardigan / august / willow (Live From The 63rd GRAMMYs ® / 2021)
『Folkrore』でベストアルバムに選ばれたテイラー・スウィフト。
コロナ禍ですべての予定がキャンセルになった中、完全リモートで曲をつくり、1人で活動するフォトグラファーとタッグを組み、セルフヘアメイク・監督・脚本で撮影されたMVと共に、昨夏サプライズ配信して驚かせてくれました。
これまで自身の経験を赤裸々に歌っていた彼女が一転、紡ぎ始めた物語。
グラミー賞で見せたパフォーマンスは、その世界観が詰まった魅力的なステージとなっていました。
ビリー・アイリッシュのコロナ禍で生まれた気持ちの変化
Billie Eilish - everything i wanted (Live From The 63rd GRAMMYs®/2021)
昨年のグラミー賞で史上最年少18歳にして主要4部門を獲得する快挙を見せ、一躍有名人になったビリー・アイリッシュ。
当初は喜びを見せていたビリーですが、『everything i wanted』では苦悩が見える曲となっていました。
I tried scream
叫び声を上げようとした
But my head was underwater
けど頭まで水中に沈んでしまった
They called me weak
皆は私を弱いやつと言う
Like I'm not just somebody's daughter
私を人の子だと思わないような人たちに
Coulda been a nightmare
悪夢だったのかもしれない
共同制作する兄・フィニアスが「これ以上は続けられないかもしれない」と危惧するほどでしたが、コロナ禍によってできた時間から生まれた『my future』は、自分や未来への希望に溢れた曲となっていました。
i'm in love with my future
私は自分の未来に恋をしている
can't wait to meet her
未来の私に会うのが待ちきれない
時間が解決してくれるものってありますよね。
さらには、実はビリー・アイリッシュは熱狂的なジャスティン・ビーバーファン「ビリーバー」なのですが、そのジャスティン・ビーバーが若くして成功した自身の経験に重ねて、ビリーのことを心配していた話もあって、こちらももらい泣きしてしまいました。
「若くして業界に入って、右も左も分からない状況だったのは、僕にとってつらいことだった。みんな、僕のことが大好きだって言ってたのに、次の瞬間には背を向けられた。なかなか難しい世界なんだ。
だから、彼女には僕はいつでも味方だって知っていて欲しい」と言うと、続けて「彼女には(正気を)失って欲しくないし、僕が経験したような目には遭って欲しくない。誰にもあんな経験はして欲しくない。だからもし彼女が必要なら、僕に電話して欲しい」と、ビリーが望むならいつでも力になると熱く語っていた。
いつも隣にいて共に音楽活動をしている兄・フィニアスに加え、とても心強い味方ですね。
葛藤を抱えながらもリリースしたアルバムが20億回再生:デュア・リパ
Dua Lipa - Levitating ft. DaBaby / Don't Start Now (Live at the GRAMMYs 2021)
2019年に新人賞など2部門でグラミー賞を受賞したデュア・リパ。
『The Voice18』でもアドバイザーとして登場していました。
私が1つ気づいたのは幸せがどれだけ重要かってことよ
前作を作ったあと私は疲れ切っていて
悲しい音楽を作るしかないと思い込んでいた
スピーチでこう話していたデュア・リパは、コロナ禍によってペースダウンし、SNSから離れたことで、気持ちを切り替えて制作に臨めたのだそうで、80年代ミュージック系の踊れる曲がそろった『Future Nostalgia』ができあがりました。
それでも世の中で多くの人が苦しむ中で音楽をリリースすることに葛藤を抱えていましたが、「幸せや笑顔を届けたい」と涙ながらにインスタライブで前倒しでのアルバムリリースを発表。
過去の失恋を乗り越えて決別し、「もう顔を見せないで、出てこないで」と歌った『Don’t Start Now』は、外出自粛ソングとして話題になったそうです。
ちなみにリミックスアルバムの方には、直接オファーをもらった星野源さんが唯一の日本人として参加しています。
関連記事